【文科省「生成AIパイロット校」25–26年度に拡大】校務×授業ד採点AI”の次の一手は?──実務ロードマップと塾向け対策をやさしく解説

はじめに

生成AIを“どう学校で使うか”。答えを急がず、まずは現場の実践を集めて標準を作る——そんな流れが、文部科学省の「生成AIパイロット校」で加速しています。2025年度は校務利用90指定箇所程度を含む公募が行われ、授業・校務双方の活用事例を体系的に収集・公開する段取りです。並行して、国の実証では記述式の自動採点(生成AI原理を用いた方式)の検証報告も公表され、採点AIの可能性と留意点が具体化してきました。この記事では、一次資料に基づいて拡大の中身/時系列の動き/学校・塾が今すぐ整えるべきことをコンパクトに整理します。

この記事で分かること
生成AIパイロット校の拡大内容とその背景
校務と授業でどのような実証が行われるか
採点AIの検証状況と適性検査との関係
塾・予備校が今できる備えと注目点

1. ニュース概要(なにが“拡大”なの?)

文部科学省は、2025〜26年度にかけて生成AIの教育活用をさらに本格化させる方針を打ち出しました。25年度は約90校の校務・授業での導入を想定し、全国からの申請をもとに採択が行われます。ChatGPTなどの生成AIを用いた教材や指導案の作成、研修、座談会を通じて事例を蓄積し、年度末に成果が公開される予定です。過去2年での導入校増加を踏まえ、今後は普及フェーズへと移行します。

  • 25年度公募の骨子:校務利用は約90指定箇所を想定。自治体・教育委員会申請型で、約款型の生成AIサービス(例:ChatGPT等)を前提に、事例の創出・普及と月次研修/座談会/最終報告までを設計。成果物(プロンプト・指導案等)は年度末に公開される前提です。
  • 過年度実績R5年度=37自治体・52校/R6年度=39自治体・66校。25–26年度は、これを踏まえ更なる実践収集と普及に軸足が置かれます。
この章のポイント
校務利用90校を含む大規模拡大へ
事例と成果を全国公開して普及
授業・校務の両輪で活用実証
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2. 何を試すのか(校務効率化と授業活用の焦点)

公募要領は、文書・保護者向け便り案、校内マニュアル草案、研修計画作成などの校務、および課題発見・構想・比較検討・表現などの授業での活用を掲げます。研修(月1回)+座談会(6月/11月)で横断共有し、1月末目途に実践報告提出→公開という“回し方”も明記。ガイドライン準拠(利活用の留意点・ファクトチェック等)を前提に、学校全体の情報活用能力育成を求めています。

この章のポイント
校務:文書・研修などの標準化・効率化
授業:思考・言語化力を伸ばす支援
全体運用はガイドライン+実践報告の提出までが一体

3. “採点AI”はどこまで来た?(国の検証から読み解く)

文科省はCBT環境での記述式答案の自動採点を試行し、生成AIの原理を用いた採点に関する報告書を公表しました。セキュリティ(閉域・非接続運用)や個人情報の扱い、品質マネジメント指針への整合など、導入前提の技術・運用要件が整理されています。これは中高一貫校の適性検査そのものへの直ちの導入を決めたものではありませんが、“採点支援AI”の社会実装に向けた検討材料が揃い始めた段階と言えます。

この章のポイント
生成AIを活用した記述式採点の試行開始
導入にはセキュリティ・品質要件が必須
適性検査への即時導入は未定

4. タイムライン(25–26年度の実務カレンダー)

本プロジェクトは2025年4月から公募・審査が開始され、6月以降に各校で実践がスタートします。月次研修や座談会を通じて、校務や授業での活用事例が共有され、翌年1月には報告書として公開予定です。デジタル校務の実証成果も並行して公表されるため、他校の実践を参考にできる仕組みになっています。スケジュールの把握と計画的な準備が成功のカギとなります。

  • 2025年4–5月:パイロット校公募・審査・採択。6月~契約・着手。
  • 2025年6月/11月座談会(オンライン)で中間共有。月1回の研修も通年開催。
  • 2026年1月末実践報告の提出→公開授業・校務の事例集が順次閲覧可能に。
  • 参考:校務デジタル化実証の成果資料(自治体事例)も並行公開中。活用像の具体化に有用
この章のポイント
2025年4月〜公募・6月から開始
研修・座談会・報告提出まで通年設計
成果公開で標準化の合図となる

5. 背景と位置づけ(なぜ今、拡大?)

暫定ガイドライン(R5)で大枠を示しつつ、R5→R6で指定校を重ね、R7(25年度)は規模・仕組みを整えた普及段階へ。東京都は「全都立学校で生成AI活用学習を開始」と発表するなど、先行自治体の潮流も後押ししています。国は校務・授業・採点支援の三面から“活用は進める、同時にルールと検証を厚くする”方針です。

この章のポイント
段階的に普及を進める国の戦略
東京都など自治体も積極展開
“活用とルール整備”を同時進行で推進
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6. 塾・予備校関係者への注目点

生成AIの学校導入が進む中で、塾・予備校もその動向を踏まえた教材開発や指導法の見直しが求められています。特に作文指導や探究学習、適性検査型の設問設計、保護者対応など、現場に即した対応力が重要です。AIの活用を前提とした“伝える力・考える力”の育成支援がこれからの教育現場ではカギとなります。学校現場との連携や情報共有を密にし、対応の質とスピードを高める準備が必要です。

① AI作文評価×探究プレゼンの“二刀流”教材

学校側の事例公開を踏まえ、要約・リライト・根拠提示までを含む生成AI併用の作文演習と、探究型プレゼンのルーブリックを統一。フィードバック文面の雛形をAIで生成・標準化すると回転が上がる(ただし出力の事実確認は必須)。

② “適性型×採点支援”の設問設計力を高める

比較・根拠・図表読解を伸ばす適性型設問を作問し、採点観点(部分点ルーブリック)を明示。将来の採点支援AIを意識して、観点の言語化・データ化を今から蓄積。

③ 保護者向け「学校のAI活用」解説会

ガイドラインの要点(リスク・留意点)と自治体の動向を、一次資料リンク付きで説明。家庭学習のAI使用ルール(出典明記・校則尊重・最後は本人の言葉で)を共有。

この章のポイント
AI作文×探究プレゼンの教材設計が重要
採点観点と言語化を平時から準備
家庭でのAI利用ルールを周知する機会も

まとめ

文科省は、生成AIパイロット校を25–26年度でさらに拡大し、校務・授業の活用事例を集めて公開する方針です。国の報告では記述式の自動採点(生成AI原理)も要件レベルの議論に入り、採点AIは“支援”として設計の具体化段階に。一方で、適性検査への即時導入は未決。学校・塾にできることは、ガイドライン準拠の使い方を標準化し、ルーブリック/プロンプト/報告様式をそろえて“再現可能な実践”を積み上げること。公開される一次資料を起点に、効果とリスクの両輪で歩を進めたいところです。

この記事のまとめ
生成AIパイロット校は校務×授業の両軸で拡大
採点AIは支援段階へ進展、ただし即導入は未決
塾・学校で“再現可能な実践”の型を整備する重要性
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参考・出典

  • 文部科学省「令和7年度 生成AIパイロット校事業 公募要領」—指定箇所(校務利用90程度)、研修・座談会、成果公開、申請・審査スケジュール等。 リーディングDXスクール
  • 文部科学省「生成AIの利用について」—暫定ガイドライン、研修アーカイブ等。 文部科学省
  • リーディングDXスクール「生成AIパイロット校・実践事例」—R5・R6の最終報告(活用方法の検索・閲覧)。 リーディングDXスクール
  • 文部科学省「次世代の校務デジタル化推進実証事業(生成AIの校務活用)」—自治体の成果報告資料。 文部科学省
  • 文部科学省「CBT 記述式答案の採点に関する試行・検証 報告書」(2025年7月公表)—生成AI原理を用いた自動採点の要件・留意点。 文部科学省
  • 東京都「全都立学校で生成AIを活用した学習を開始」(2025/5/12報道発表)—自治体レベルの展開。 東京都交通局

注:本文中の「採点AI」は国の試行・検証段階の知見に基づくもので、各入試・適性検査への導入決定を意味しません。運用の最終仕様は、各教育委員会・学校の最新公表で必ずご確認ください。 文部科学省