【神奈川・受検上の配慮】第6号様式で事前申請――拡大文字/時間延長/別室受検の可否と、塾が押さえる“締切前の段取り”を解説

はじめに

体調や障害の有無にかかわらず、子どもが実力を出せるように整える――そのための仕組みが「受検上の配慮」です。神奈川県では、県立中等教育学校の入学者決定で「受検方法等申請書(第6号様式)」出願書類と一緒に提出するルールが明確に示されています。一方、公立高校では原則「中学校経由」で事前申請という案内が公表されています。どちらも“検査の程度を変えない範囲での方法・時間・会場の配慮”が基本。この記事では、何を・いつ・どこへ申請するのかを、公式資料だけに依拠して短く整理。塾現場でミスを減らすための“台帳化とリハーサル”のコツも添えます。

この記事で分かること
神奈川の「受検上の配慮」の基本原則(検査の程度は不変/方法・時間・会場で調整)
県立中等第6号様式出願と同時に同封・郵送小学校長の所見が必要
公立高校中学校経由の事前申請が基本(拡大文字・時間延長・別室などの例)
手続の実務:誰が・いつ・どこへ申請するか、証憑最新様式の準備
締切逆算・台帳化・配慮つき演習のリハーサルで当日の崩れを回避

ニュース概要――何が決まっているのか

まず県立中等教育学校(相模原・平塚)の今年度実施要領には、障害等のある志願者が配慮を希望する場合、「受検方法等申請書(第6号様式)」を志願の際に入学願書等と併せて郵送すること、そして教育長が必要と認めるときに“方法・時間・会場”の取扱いで配慮する旨が明記されています。書式そのものにも「小学校長の所見」欄があり、小学校経由での整合確認が前提であることが読み取れます。

この章のポイント
中等:第6号様式出願と同時に郵送。配慮は方法・時間・会場の取扱いで対応
様式に「小学校長の所見」欄=小学校経由の確認が前提
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申請の基本――誰が・いつ・どこへ?

ここを取り違えると、配慮自体が間に合いません。中等は実施要領で志願(出願)時に第6号様式を同封と明文化。高校は県の案内ページで、“中学校を通じて事前に申請できる”と周知されています(主な配慮例も同ページに明記)。受検者の状況に応じて個別決定されるため、通学先の学校(小・中)と早めに相談→必要書類の準備→締切逆算が鉄則です。

この章のポイント
中等:出願同封(第6号様式)高校:原則中学校経由で事前申請
判断は個別。在籍校と早期相談→締切逆算が安全

認められる配慮の例――“程度を変えない範囲”が原則

配慮は公平性を保つ設計で、問題の難易度を変えないことが大原則です。県立中等の実施要領は、検査方法・検査時間・検査会場の取扱いで適切に講じると規定。県の高校入試案内では、問題用紙の拡大・時間延長・別室受検・座席配慮などが例示されています。国のMEXT参考資料も同趣旨で、拡大文字、別室、時間延長等を代表例に挙げています。最終的な配慮内容は個別協議で決まる点を、家庭にも丁寧に伝えたいところ。

この章のポイント
程度は不変:変えるのは方法・時間・会場の取扱い
例:拡大文字/時間延長/別室受検/座席配慮

フォームと書類――第6号様式の中身を確認

第6号様式(受検方法等申請書)には、希望する配慮事項(箇条書き)と申請理由の欄、そして小学校長の所見欄が設けられています。様式は県サイトで公開されており、印刷→必要事項を記載→小学校で所見記入→出願書類と併せて郵送が基本の流れ。様式番号の取り違えや、旧年度版の使用は不備の原因です。最新の「実施要領」「様式ページ」をブックマークしておきましょう。

この章のポイント
配慮内容は箇条書きで具体化診断書・学校での配慮実績等の根拠を準備
最新版の様式をDL→小学校長の所見取得→出願と同封

よくあるつまずき――締切・証憑・練習不足

申請が出願同封であることを失念し、直前に駆け込み→所見や必要書類がそろわない、という事例が毎年発生します。また、拡大版・延長の試験運用を事前に練習していないため、当日ペース配分で崩れるケースも。配慮は在籍校での普段の学習配慮と整合していることが望ましく、“試験だけ特別”は通りにくい点も理解したいところです。

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出願同封=逆算が命所見・証憑は時間がかかる
配慮の練習(拡大版・時間延長の模擬)を事前に
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塾・予備校関係者への注目点(実務3提案)

① 年度版“配慮台帳”の整備
実施要領(R8)・様式ページ・第6号様式PDF最新版URLと更新日を1枚で管理。家庭向け案内プリントにQRを添付し、旧版誤用を防ぎます。

② 9~12月の“逆算カレンダー”共有
小学校長の所見や診断書類は時間がかかる前提で、出願期間の2~3週前に塾側の実質締切を設定。面談で必要書類チェックリストを配布して抜けを防止。

③ 模試で“配慮つき演習”を用意
拡大問題・時間延長・別室など、本番に近い条件での演習枠を設け、当日の体感差(視認性・ペース・集中維持)を前もって潰す。県の高校案内やMEXT資料にある代表例を参考に、無理のない範囲で実装を。

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年度版「配慮台帳」を整備(様式URL・更新日・版数を一枚管理)
9〜12月の逆算カレンダーを共有し、実質締切を設定(チェックリスト配布)
配慮つき演習(拡大・時間延長・別室)を模試で用意し、当日の体感差を事前に潰す

まとめ

神奈川県の受検上の配慮は、検査の程度は変えず方法・時間・会場で調整するのが原則です。県立中等では出願時に「第6号様式」を同封し、小学校長の所見を付して申請。公立高校中学校経由で事前申請の導線が示されています。いずれも在籍校と早期相談→証憑準備→締切を逆算が鉄則。さらに拡大問題・時間延長・別室など配慮つき演習を模試で事前に体験させると、当日のペース崩れを防げます。毎年度の様式や要領は更新されるため、最新版のURLと更新日を台帳管理し、提出直前に年度の取り違えがないかを最終チェックしましょう。

この記事のまとめ
検査の程度は不変。調整は方法・時間・会場で行うのが原則
県立中等:第6号様式を出願同封公立高校:中学校経由の事前申請
最新版様式の台帳管理×締切逆算×配慮つき演習でミスと当日崩れを防止
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参考・出典

  • 神奈川県教育委員会『令和8年度 神奈川県立の中等教育学校の入学者の募集及び決定に関する実施要領』〔配慮は方法・時間・会場で取り扱う旨/出願時同封の手続〕。神奈川県公式サイト
  • 神奈川県教育委員会『令和8年度 神奈川県立の中等教育学校の入学者の募集及び決定に関する要綱』。神奈川県公式サイト
  • 神奈川県教育委員会『受検方法等申請書(第6号様式)』〔様式本体・小学校長の所見欄〕。神奈川県公式サイト
  • 神奈川県教育委員会『神奈川県立中等教育学校の入学者の募集及び決定に係る様式等』(様式一覧ページ)。神奈川県公式サイト
  • 神奈川県教育委員会『入学者選抜における配慮について(公立高校)』〔中学校経由での事前申請、拡大・時間延長・別室等の例示〕。神奈川県公式サイト
  • 文部科学省『高等学校入学者選抜における受検上の配慮に関する参考資料』(令和4年)〔国の考え方と典型例〕。文部科学省

※各資料は毎年度更新されます。提出前に必ず当該年度版をご確認ください。