はじめに
公立中高一貫の受検対策は、つい「何をやれば安心か」が見えにくくなりがちです。特に適性検査は、教科の枠をまたいで資料を読んだり、条件を整理して自分の言葉で説明したりと、勉強の手触りがつかみにくい分、やることが散らかりやすいのが悩みどころ。そんなときに頼りになるのが、自治体が公式に公開する問題と正答例です。長野県はR8入学者選抜の適性検査について、問題冊子・解答用紙と正答・正答例を公開しました。この記事では、公開された内容を噂抜きで整理し、家庭と塾が“次の一手”に落とし込める形で解説します。
ニュース概要|何が、どこまで公開された?
長野県の公式ページで、R8(令和8年度)入学者選抜の適性検査について、適性検査Ⅰ・Ⅱそれぞれの問題冊子、解答用紙、正答・正答例がPDFで公開されています。適性検査の実施日は令和7年12月6日と明記されています。あわせて、試験当日に配付される問題冊子の体裁(A4判・両面印刷・表紙込み11ページ)や、解答用紙の判型(ⅠはB4判2ページ、ⅡはB4判1ページ)も注記されています。また、著作権法に基づき一部公開しない部分がある点も注意事項として示されています。
公開資料の読みどころ|正答と正答例は役割が違う
公開物の中で、学習効果を分けるのが正答例の使い方です。正答は結論の確認に向きますが、正答例は「どう書けば伝わるか」を学ぶための資料です。特に適性検査は、結論だけでなく根拠の置き方や条件の扱い方が評価に関わりやすく、同じ方向性の答えでも表現の仕方に幅が出ます。だからこそ、正答例を丸暗記するより、情報の拾い方→整理→説明の順番という型を吸収するのが近道です。
重要:正答例は暗記用ではなく、書き方の型をつかむための見本
問題作成方針から見える“出題の狙い”
今回の公開ページには、適性検査問題作成方針も掲載されています。そこでは、学習指導要領に基づき、入学後に求められる思考力・判断力・表現力等を見る総合的な問題にすること、必要な情報を収集・整理・分析し筋道を立てて考えたり表現したりする力を見ることなどが示されています。さらに、Ⅰ・Ⅱそれぞれで各問のねらいが整理され、Ⅰは資料・会話文・文章などの読み取りと関連付け、Ⅱは図表などをもとにした数理・自然科学的な思考と表現に重点があることが読み取れます。
家庭での活用|自己採点を“弱点診断”に変える手順

公開物が揃うと、家庭でも本番に近い形で演習を回せます。ただ、やみくもに解いて終わりにすると効果が薄いので、自己採点を診断に変える工夫が必要です。おすすめは、時間を切って解く→正答・正答例で自己採点→失点理由を分類して次の一手を決める、の3段階です。失点理由は、資料の読み落とし/条件の取り違え/処理(計算・作図等)のミス/表現(根拠不足・説明不足)あたりに分けると、直前期の補強が具体的になります。
重要:解き直しより先に、失点の種類分けを固定する
塾・予備校関係者への注目点|教材化するならここ
今回の公開は、塾側が指導を揃える材料としても使いやすいニュースです。ただし、制度全体に無理やり結び付けるより、実際に現場で効くところだけ丁寧に扱うのが現実的です。相性が良いのは、答案の減点ポイントを共通言語化することと、冬〜直前期の補強メニューを“診断起点”で設計すること。正答例があることで、添削の観点がブレにくくなり、指導の再現性が上がります。
重要:自己採点会→弱点診断→補強メニューの流れが作りやすい
塾向けの実務メニュー例
- 自己採点会:解答用紙形式で回収し、分類表に転記
- 弱点診断:読み取り/条件/処理/表現のどこで落ちたかを確定
- 補強:分類ごとにミニ演習→再提出→改善点だけフィードバック
- 共有教材化:よくある減点パターン集(根拠不足、条件落ち等)を短冊教材にする
注意点|公開=そのまま全部使える、ではない
最後に、使う側が誤解しやすい注意点も押さえておきます。公式ページには、著作権法に基づき一部公開しない部分があると明記されています。つまり、冊子の形式は同じでも、公開版は一部が伏せられる可能性があるということです。また、プレスリリースでは、県公式ホームページへの掲載は適性検査実施日の13時以降と案内されており、公開タイミングにもルールがあることが分かります。情報の出どころと版の違いを意識して扱うのが安全です。
まとめ
長野県が公開したR8入学者選抜の適性検査(Ⅰ・Ⅱ)の問題冊子・解答用紙と正答・正答例は、受検対策を“手応えのある学習”に寄せるための一次情報です。特に正答例は暗記用ではなく、根拠→結論の筋道や条件の扱い方といった書き方の型を学ぶための資料。家庭では、本番想定→自己採点→失点分類の3段階にするだけで、冬〜直前期の補強が具体化します。塾現場では、自己採点会から弱点診断へつなげ、減点ポイントを共有教材に落とし込むと指導の再現性が上がります。公開物の注記(著作権による一部非公開など)も含め、公式情報を軸に落ち着いて組み立てていきましょう。
参考・出典(URL)
- 長野県教育委員会 令和8年度長野県立中学校入学者選抜適性検査問題正答・正答例(問題冊子・解答用紙、正答・正答例、体裁の注記、著作権による一部非公開の注記)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyogaku/saiyo-nyuushi/shiken/chu/r8chugaku.html - 長野県教育委員会 令和8年度県立中学校入学者選抜 適性検査問題作成方針(思考力・判断力・表現力等をみる方針、Ⅰ・Ⅱのねらいと各問の内容)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/kyogaku/saiyo-nyuushi/shiken/chu/documents/8houshin.pdf - 長野県教育委員会 令和8年度県立中学校入学者選抜情報(関連資料への入口、志願者数等の公表資料の掲載)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/koko/saiyo-nyuushi/shiken/chu/r8/r8chugakunyushi.html - 長野県(教育委員会)プレスリリース 令和8年度長野県立中学校入学者選抜に係る公表日程等(県公式HPへの掲載時刻案内など)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kyoiku/koko/happyou/r7/20251106press.html


