【2026年度から完全Web出願へ】栃木県立中3校がインターネット志願を正式採用―手続きフローと注意点を解説

紙の願書、返信用封筒、切手――これらが県立中受検の必需品だった時代が、栃木県では2026年度入試をもって終わります。県教委は「県電子申請システム」を使ったインターネット出願を正式採用すると発表。宇都宮東・佐野・矢板東の附属中、計3校すべてが対象です。願書提出から検定料決済、受検票の受け取り、さらには県外生の資料請求までがオンラインで完結する仕組みは、距離や時間の制約を一気に取り払います。一方、入力ミスは「自己責任」という新たなリスクも伴うため、保護者説明や塾のサポート体制はこれまで以上に重要に。本稿では制度概要、利点と課題、そして現場が押さえるべきポイントを整理しました。

この記事で分かること
栃木県立中のインターネット出願制度の全体像
出願手続きの流れとシステムの新機能
オンライン出願がもたらす利点と注意点
塾・予備校として取るべき対策とサポート方法

ニュース概要(何がどう変わる?)

栃木県は2026年度より、宇都宮東・佐野・矢板東の3附属中学校すべてでインターネット出願を正式採用します。これにより、志願者は県の「電子申請システム」を通じて24時間オンラインで出願手続きを行えるようになります(※締切日のみ17時まで)。検定料の支払い方法はクレジットカード・コンビニ・ペイジーが利用可能で、紙の志願票や顔写真票は廃止され、受検票は各自PDFで印刷する形式に。また、県外生は資料請求から払込まですべてオンライン完結となり、郵送対応が不要になりました。手続きの利便性が大幅に向上し、地理的な制約が軽減される内容です。

  • 対象校:宇都宮東・佐野・矢板東の附属中3校
  • 出願方法:県公式「電子申請システム」で24時間受付(最終日は17:00締切)pref.tochigi.lg.jp
  • 決済手段:クレジットカード/コンビニ/ペイジー
  • 県外生:パンフ請求~払込までオンライン完結(郵送不要)
この章のポイント
対象は宇都宮東・佐野・矢板東の3校
24時間Web出願が可能(最終日は17時まで)
県外生も資料請求から払込までオンライン完結
紙の志願票・写真票は完全廃止
登竜問ロゴ
教材作成が追いつかない… そんな塾・学校に。
登竜問なら検索→編集→印刷までワンパッケージ。

手続きフローと新機能

出願の流れは、まず保護者または志願者がメール認証でマイページを作成し、氏名や住所などの志願者情報を入力、顔写真をアップロードします。次に検定料をオンラインで決済し、その情報がシステムに反映されると、在籍校の校長が内容を電子承認。これを経て受検票がPDFで発行される仕組みです。また、結果通知もマイページ上でPDFとして確認可能で、掲示板を見に来る必要がなくなります。さらに、今回のWeb出願導入に伴い、県外生向けの資料PDF自動送付機能が加わりました。従来必要だった返信用封筒・切手の手配は不要になります。

  1. マイページ登録(メール認証)
  2. 志願者情報入力+顔写真アップロード
  3. 検定料オンライン決済
  4. 在籍校長が電子承認→受検票PDF発行
  5. 結果通知はマイページ+PDF通知書
この章のポイント
顔写真・決済情報などすべてオンラインで完結
合否通知もマイページ上で確認可能
県外生へのPDF資料自動送付機能を新設
締切日に近い決済は反映遅延に注意

期待される利点と課題

Web出願の最大の利点は「距離の壁を取り払えること」です。県外や地方、さらには海外在住者であっても、郵送のやりとりなしでスムーズに出願可能となるのは大きな前進です。学校側にとっても紙書類の受付・保管の手間や郵便遅延のリスク、感染症による接触機会などを軽減できるメリットがあります。一方で、誤入力や写真の規格不備による出願無効リスクは確実に増えます。また、保護者によってはパソコン操作やPDF印刷に不慣れなケースも想定され、ITリテラシーの格差が浮き彫りになる可能性も。システム障害発生時には、FAXによる仮受付の整備が検討されており、バックアップ体制の明確化も課題となっています。

利点

  • 地方・海外在住者の受検機会が拡大
  • 学校側の受付・保管コストを削減
  • 郵送遅延や感染症リスクを回避

課題

  • 入力ミスや写真規格違反=出願無効のリスク
  • 保護者のITリテラシー格差が顕在化
  • システム障害時のバックアップ(FAX仮受付など)が不可欠
この章のポイント
地方・海外在住者にも出願機会を拡大
学校側の負担軽減・効率化に寄与
一方で入力ミスや操作トラブルのリスクも存在
ITリテラシーやシステム障害時の対応策が課題
登竜問ロゴ
検索条件は100 通り以上
生徒の理解度に合わせてピンポイント教材を即作成。

塾・予備校関係者への注目点

初めてWeb出願に挑戦する家庭にとって、不安材料は“操作ミス”と“忘れ”です。そこで塾や予備校としては、出願手順や入力内容の確認リスト、顔写真の規格ガイドなどをまとめた保護者説明資料の作成が求められます。また、出願開始直前には、「入力ミスゼロ」チェック会として、受講生の情報を一斉確認する機会を設けることで、リスクを最小限に抑えられるでしょう。加えて、決済に関するトラブルを防ぐためには、決済完了スクリーンショットの提出をルール化し、締切前にリマインドをかける仕組みも有効です。

  1. 保護者説明資料の早期作成
    • 画面キャプチャ付きマニュアル、顔写真チェックリストを配布し“初めてのWeb出願”不安を解消。
  2. 「入力ミスゼロ」チェック会の開催
    • 出願開始前週に志願者情報のローマ字表記・生年月日などを一斉確認。
  3. 決済リマインドの自動化
    • 塾LINEで締切5日前に決済完了スクショ提出を義務づけ、反映遅延リスクを最小化。
この章のポイント
操作不慣れな保護者をマニュアル・説明資料で支援
「入力ミスゼロ」チェック会を事前に開催
決済完了のスクリーンショット提出をルール化
LINE等でリマインドする仕組みが有効

まとめ

栃木県のインターネット出願は、距離や時間の壁を取り払い、誰でも公平に県立中へチャレンジできる環境を整えます。紙願書に慣れた保護者にとっては戸惑いもありますが、操作マニュアルやリマインド体制を整えれば、手続きの負担はむしろ軽減されるはず。塾・学校がサポートの質を高めることで、デジタル化が不安ではなく“安心”へ変わる――それが2026年度入試の最大のテーマです。今から一歩先の準備を始め、ミスのないスムーズなWeb出願を実現しましょう。

この記事のまとめ
Web出願で距離・時間の壁を解消
ミス防止と説明体制が合否に直結
塾・学校のデジタル対応力が求められる
登竜問ロゴ
中高一貫校 適性検査対策
登竜問 でスピード完結!
過去4年分+毎年追加 の最新問題を
ワンクリックで検索・Word編集・プリント出力。
無料で相談してみる →

参考・出典

  • 栃木県「令和8(2026)年度県立中学校入学者選考に関するお知らせ」pref.tochigi.lg.jp
  • 栃木県「令和8年度県立中学校入学者選考におけるインターネット出願について」pref.tochigi.lg.jp
  • ONE塾『〈栃木県〉県立中学校入試情報』2025年3月更新版one-juku.com