福岡県立嘉穂高等学校附属中学校の特徴や受検対策を解説!

はじめに

福岡県立嘉穂高等学校附属中学校は、「世界を拓くトップリーダーの育成」を目指し、生徒一人ひとりの成長をサポートしてきました。生徒が、高い志を持って努力し、他者を尊重しながら今自分ができることに全力で取り組めるよう、3つの校訓として「立志」「忠恕(ちゅうじょ)」「而今(にこん)」を掲げており、学力以外の面からも支援を行っていることが大きな特徴です。嘉穂附属中学校は学力だけでなく、人間性を育てる場を提供しています。本記事では、学校の特色や教育方針、さらには入学者選抜に向けた具体的な対策について詳しくご紹介します。嘉穂附属中学校の魅力を知り、入学を目指す方への参考になれば幸いです。

嘉穂附属中学校の概要

嘉穂附属中学校は、福岡県内に位置し、「世界を拓くトップリーダーの育成」を目指した教育を行っている学校です。「校訓」として掲げられている「立志」「忠恕」「而今」の下、高い志を持って努力し、他人を思いやり、自分にできることに全力を尽くすことを大切にしています。これらの言葉は、生徒一人ひとりが志を持ち努力を続けること、他者への思いやりを大切にすること、そして今できることに全力を尽くすことを重視しています。校訓として掲げられる「立志」「忠恕」「而今」の三つの言葉は、生徒一人ひとりの成長の道標として重要視されており、個々の能力と人間性の向上を促進する教育が実施されてきました。

嘉穂附属中学校では、授業だけでなく、学校行事や部活動、生徒会活動など、多彩な場面で生徒が主体的に活躍できる環境が整えられています。特に、独自の「嘉穂Dream Compass」プログラムでは6年間の計画で、総合的な学習の時間でのキャリア教育の視点から、「志」「文」「和」を三つの柱とした各種の取組を行っています。このプログラムでは、生徒が社会との関わりを意識しながら自らの目標を設定し、その目標に向かって着実に成長していくプロセスが重視されています。

嘉穂附属中学校の特色

嘉穂附属中学校では、生徒一人ひとりが個性を発揮し、将来の目標に向けて成長できる教育環境が提供されています。校訓や独自の教育プログラムを通じて、学力の向上だけでなく、社会性や自己実現力を培うことも重視した教育が行われています。

「立志」「忠恕」「而今」の理念に基づいた教育

嘉穂附属中学校の校訓には、「立志」「忠恕」「而今」という3つの理念が掲げられています。「立志」とは、高い志を持ち、それに向けて努力し続けることを意味し、生徒たちが自らの目標を見据えて前進する姿勢を支えます。また、「忠恕」は他者への思いやりや共感の心を育むことを目指し、協調性と尊重の精神を育てます。「而今」は、今この瞬間にできることを全力で行う姿勢を指し、日常の学びや挑戦において集中力を持ち、成果を追求する姿勢を生徒に求めています。これらの校訓を通じて、学校生活を送る上での基礎となる人間性の育成が図られています。

「文のプログラム」での学力向上支援

「文のプログラム」では、生徒の基礎学力を着実に伸ばし、発展的な学習をサポートする取り組みが行われています。基礎学力定着のための取り組みとして、毎朝の10分間を用いた「10ミニッツイングリッシュ」と呼ばれる英語学習の時間や、「αタイム」と呼ばれる定期考査前の復習を中心とした学習時間が設定されています。また、英語や数学の授業時間が標準より多く実施されており、中等教育6年制を視野に入れた継続的な学習体制が組まれています。さらに、漢字検定や英語検定、GTECなどの試験に挑戦することが推奨されており、生徒が実力を試し、さらなる成長を目指す環境が整っています。

「志のプログラム」によるキャリアプランニング

「志のプログラム」では、生徒一人ひとりのキャリア形成を支援するために博物館や美術館の研修、職場体験、大学訪問などを通じた学びを社会と結びつける実践的な機会が用意されています。また、英語ディベートや英語劇などのグローバルプログラムによる国際的な視野を広げる教育の他、課題研究やプログラミング教育といった科学的探求心を育む取り組みも特徴です。これらの体験を通じて、生徒が自らの将来像を描き、高い目標に向かって進む力を養うことを目指しています。

礼儀や社会性を重視した「和のプログラム」

嘉穂附属中学校では、「和のプログラム」と称した社会人としての基礎を培う礼儀指導の他、学校生活や進路にまつわるきめ細やかな教育相談を行っています。また、公共の場でのボランティア活動や自主的な生徒会活動、中高合同の伝統行事などを通じて、生徒がチームワークや他者への思いやりを身につける場が提供されています。これらの活動は、単に学業だけでなく、人間としての成長も重視した教育方針の一環であり、卒業後の社会での活躍にもつながる力を育てます。

「嘉穂Dream Compass」による指導体制

「嘉穂Dream Compass」とは生徒が自分の意志で将来決定をするために嘉穂高等学校と附属中学校で行われている独自の教育プログラムです。「文」「志」「和」の3つを柱としたこのプログラムでは、6年間の中等教育による生徒たちの個性や学び考え行動する力の開発が行われています。
特に課題探究のための活動を充実させるため、1人1研の課題研究活動を行っていることが特徴です。この活動により幅広い研究領域に対する個別指導の充実や、生徒が自己を見つめ直す機会へと結びつけています。
これらの教育を通し、生徒たちの課題発見・解決力や、将来を見据えることができる進路観を身に着けることを目指しています。

嘉穂附属中学校の入学者選抜の形態と出題傾向

嘉穂高等学校附属中学校の入学者選抜は、適性検査Ⅰ・Ⅱ、作文、集団面接から構成され、志願者の多面的な能力を評価します。それぞれの検査は、小学校で培った学習成果や課題解決への姿勢、表現力が問われます。

適性検査Ⅰ

適性検査Ⅰは、40分間の筆記形式で実施されます。小学校段階で習得した基礎知識や技能を活用し、身の回りの課題に対する解決力が評価の中心です。この検査では、問題解決に必要な思考力や判断力、課題を的確に把握する力が重視されるとされています。例えば、日常生活で見られる身近な問題を題材にして、論理的な思考を試される問題が含まれる傾向が見られます。

適性検査Ⅱ・作文

適性検査Ⅱと作文は合計で40分間にまとめられ、受検者が課題意識を持って自分の考えを表現する力が試されます。適性検査Ⅱでは、特に日常的なテーマを題材にして、思考力や発想力が問われる形式が多いようです。解答に正解があるというよりも、論理的な考え方や自己表現が求められる点が特徴です。作文については、適性検査Ⅱと同じ時間枠内で実施され、受検者の考えを自分の言葉でわかりやすく伝える能力が重視されます。

集団面接

嘉穂附属中学校の選抜過程では、集団面接も重要な評価対象となります。面接では、受検者が中高一貫教育で学ぶ意欲や目的意識、小学校生活の中での成長過程が問われる傾向があります。

嘉穂附属中学校の入学者選抜の特徴

嘉穂附属中学校の入学者選抜は、適性検査Ⅰ・Ⅱ、作文、面接を通じて、受検者が持つ多面的な力が評価されます。学力のみならず、日常生活での課題解決力や意欲が重視される点が特徴です。以下で具体的な特徴を解説します。

身の回りの課題に対する解決力が評価される

嘉穂附属中学校の適性検査では、受検者が日常生活のさまざまな課題に対してどのように解決しようとするかが評価されます。小学校で習得した基礎知識や技能を活用し、日常的な問題を論理的に考える力が問われます。例えば、社会的な問題や環境問題など身近なテーマや、推理問題なども取り上げられたこともあるため、それに対して受検者がどのように対応するかを通じて、問題解決に向けた思考プロセスが評価されます。また、特定の解答を導く力ではなく、多角的に考えを広げる姿勢や、自分なりの視点で柔軟に対応する力が重視される点が特徴的です。

思考力や発想力が問われる

適性検査や作文では、受検者の思考力や発想力も評価の大きなポイントとなります。特に適性検査Ⅱでは、受検者が物事をどのように理解し、考えを展開するかといった側面が重視されます。過去には「環境問題」や「食品ロス」など、現代社会にまつわる内容が出題されたこともあり、与えられたテーマに対して、単なる知識の羅列ではなく、自分なりの考え方や工夫が求められる場面も多いです。例えば、具体的な例を用いながら自分の意見を述べたり、新しい視点で問題にアプローチするなど、個性や創造性が評価されると考えられます。このため、事前に様々なテーマについて思考を巡らせる訓練や、幅広い分野での知見を持ち、自分の意見を表現する文章を書くつことが効果的な準備といえるでしょう。

学ぶ意欲や目的意識が問われる

嘉穂附属中学校の集団面接では、受検者が中高一貫教育で学ぶ意欲や明確な目的意識を持っているかが評価の対象となります。 具体的には、これまでの小学校生活で学んできたことや経験から、どのようにして将来の目標を見据えているかも問われることが多いようです。例えば、「小学校で学んだことをどのように活かして中学校で学びたいか」や「目指す人物像」などについての質問が含まれ、受検者が自身の学びへの意欲や取り組む姿勢をどのように表現するかが評価されます。このため、自己分析を深め、自分の強みや目標について他者にわかりやすく伝えられるよう、準備を重ねておくことが重要です。

嘉穂附属中学校の入学者選抜対策

嘉穂附属中学校の入学者選抜対策には、適性検査、作文、面接のそれぞれに合わせた準備が必要です。日頃の学習を基盤に、思考力や表現力を養うことが効果的です。それぞれの検査で必要な対策を紹介します。

適性検査Ⅰの対策

適性検査Ⅰは、主に基礎的な知識や技能を活用して、日常生活の課題を解決する力が問われるため、基礎学力をしっかりと定着させることが重要です。この検査では、問題の解決に向けた論理的な思考や、正確な判断力が評価されます。また、数的な推理問題なども対策が必要です。複数年分の過去問に取り組むことで、出題傾向に慣れ、問題の形式や求められる思考プロセスを把握しておくことが効果的です。また、教科書や参考書だけでなく、日常生活の身近な出来事や社会のトピックに対して、自分なりの意見を持ち、それを論理的に整理して表現する練習を積むことが望ましいと考えられます。

適性検査Ⅱ・作文の対策

適性検査Ⅱと作文は、共に自分の意見を論理的かつ明確に表現する力が試されます。特に適性検査Ⅱでは、問題解決の過程で自分なりの視点を持ち、独自の考えを展開する発想力が重要です。様々なテーマについて、日常的に考えを巡らせることが、対応力を高める鍵となります。作文については、特定のテーマに沿ってわかりやすく考えを表現する力が評価されるため、文章の構成や論理的な流れを意識した練習が効果的です。日常の出来事を題材にした作文を定期的に書き、それを先生や保護者に添削してもらうことで、表現力や説得力を磨くことが可能です。過去の出題傾向を把握しつつ、自分の考えを整理し、読み手にわかりやすく伝える力を意識して取り組むと良いでしょう。

面接の対策

嘉穂附属中学校の面接は集団形式で行われ、受検者の学びに対する意欲や目的意識、協調性が評価されます。面接では、学校での活動や将来の目標について質問されることが多いようです。このため、学校生活や家庭での経験を振り返り、具体的なエピソードをもとに自分の思いを表現できるよう準備することが大切です。模擬面接を通じて、緊張せずに自分の考えを伝える練習を重ねるとよいでしょう。また、集団での受け答えにおいては、他の受検者との協調性も重要ですので、適切なタイミングでの発言や他者の意見を尊重する姿勢を意識しましょう。

まとめ

嘉穂附属中学校は、生徒が自らの志を持ち、多様な場面で活躍できるよう支援する教育機関です。校訓「立志」「忠恕」「而今」に基づき、社会で活躍するための学力や人間力がバランスよく育まれるような教育方針が実施されています。選抜過程では、適性検査や作文、面接を通じ、受検者の課題解決力や自己表現力が評価されるため、入学を目指す際は、幅広い学びと豊かな人間性の育成を心がけることが大切です。嘉穂附属中学校の受検を考える際は、教育方針を理解したうえで選抜対策をしっかりと準備しましょう。