はじめに
東京都立小石川中等教育学校は、都立の中高一貫校のなかでも常に高い注目を集める学校である。2026年度(令和8年度)の一般枠は募集147名に対して応募498名、応募倍率3.39倍となり、依然として狭き門が続いている。本記事では、小石川中等教育学校の倍率の推移、偏差値の目安、そして適性検査Ⅰ〜Ⅲの配点と対策までを、公表されている数値と事実に基づいて整理する。
小石川は大正7年(1918年)創立の東京府立第五中学校を前身とし、100年を超える歴史を持つ。「立志・開拓・創作」の教育理念のもと、文系・理系に分けない「小石川教養主義」を掲げる同校は、2027年度(令和9年度)入学者決定に向けても多くの家庭が候補として検討している。
一方で、適性検査Ⅰ〜Ⅲの3科目が課され、報告書を含めた総合成績で判定される小石川の選抜は、準備の方向性を早い段階で定めることが欠かせない。数値の読み方と対策の考え方を、受検生の家庭が判断材料として使えるようにまとめた。
小石川中等教育学校の概要
東京都立小石川中等教育学校は、東京都文京区に所在する都立の中等教育学校である。中等教育学校とは、前期課程(中学校に相当する3年間)と後期課程(高等学校に相当する3年間)を一つの学校として運営する6年間の完全一貫型で、高校段階での入学者募集を行わない。小石川は2006年(平成18年)に開校し、前身の東京府立第五中学校(大正7年創立)から数えて100年を超える歴史を持つ。
2026年度(令和8年度)の一般枠の募集人員は147名で、このほかに特別枠(自然科学分野)として5名以内の募集がある。通学区域は都内全域である。教育理念として「立志・開拓・創作」を掲げ、文系・理系に分けない幅広い教養教育を6年間貫く点が、小石川という学校の土台になっている。
小石川中等教育学校の倍率・難易度【過去3年の推移】
結論から示すと、2026年度(令和8年度)の小石川の一般枠は、募集147名に対して応募498名、応募倍率3.39倍であった。過去3年の推移は次のとおりである。
| 年度 | 募集人員 | 応募人員 | 応募倍率 |
|---|---|---|---|
| 2026年度(令和8) | 147名 | 498名 | 3.39倍 |
| 2025年度(令和7) | 155名 | 551名 | 3.55倍 |
| 2024年度(令和6) | 155名 | 684名 | 4.41倍 |
過去3年で見ると、応募倍率は4.41倍→3.55倍→3.39倍と緩やかに落ち着いてきている。ただし、これは「入りやすくなった」と単純に読むべきではない。2026年度は都立中10校全体で一般枠の募集人員が縮小されており(小石川も155名→147名)、応募者の減少と定員の減少が同時に進んでいる。また、応募倍率3.39倍は、およそ3.4人に1人しか合格できない水準であり、都立中10校の2026年度平均(約3.56倍)と比べてもほぼ同水準の高い競争が続いている。
なお、特別枠(自然科学分野)は2026年度、5名以内の募集に対して応募3名であった。特別枠は国際的な科学コンテストでの実績等が求められる募集で、一般枠とは性質が大きく異なるため、多くの家庭にとっての検討対象は一般枠となる。
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小石川中等教育学校の偏差値の目安
小石川の偏差値は、受検を検討する家庭が最も気にする数値のひとつだが、「小石川の偏差値は◯◯」と一つの数値で断定することはできない。偏差値は模試ごとに母集団(受験する子どもの層)が異なるため、同じ学校でも模試によって示される数値が大きく変わるからである。私立中学受験者が中心の模試と、公立中高一貫校の受検者が中心の模試とでは、同じ小石川でも10近く数値が違って見えることがある。
そのうえで目安を示すと、各種模試において小石川は都立中高一貫校のなかで最上位グループに位置づけられることが多く、概ね60台後半から70前後の数値が示される傾向にある。ただし、これはあくまで参考値であり、実際の合否は模試の偏差値ではなく、適性検査Ⅰ〜Ⅲと報告書による総合成績で決まる。
偏差値との付き合い方としては、「何の模試の数値か」を必ず確認したうえで、志望者の中での自分の位置を測る材料として用いることが現実的である。特に適性検査型の模試であれば、出題形式が本番に近く、時間配分の練習も兼ねることができる。数値の高低に一喜一憂するのではなく、答案のどこで得点を落としたかを振り返る材料にしたい。
小石川中等教育学校の特色
小石川教養主義:文理に分けない6年間
小石川の教育の柱が「小石川教養主義」である。多くの高校で行われる文系・理系のコース分けを行わず、全員が6年間を通じて幅広い教科を学び続ける。特定の分野に早くから絞り込むのではなく、幅広い教養の土台の上に自分の専門を見つけていくという考え方であり、卒業研究などの探究活動もこの方針に沿って行われている。
理数教育:スーパーサイエンスハイスクール指定校
小石川は文部科学省からスーパーサイエンスハイスクール(先進的な理数教育を行う学校として国が指定する制度)の指定を受けており、実験・観察を重視した理数の授業や課題研究に力を入れている。特別枠募集(自然科学分野)が設けられていることにも、理数教育を重視する学校の姿勢が表れている。
国際理解教育:海外研修と語学学習
国際理解教育も小石川の特色のひとつで、海外語学研修や海外修学旅行などの機会が設けられている。各取り組みの実施内容や時期は年度によって変わることがあるため、最新の情報は学校説明会や学校公式サイトで確認するとよい。学校説明会は2026年度には5月・6月・10月の計3回実施されており、2027年度の募集に関する詳細も説明会・公式サイトを通じて案内される。
入学者選抜の形態と適性検査Ⅰ〜Ⅲの配点
小石川の一般枠の入学者決定は、適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3科目と報告書による総合成績で行われる。配点は次のとおりで、報告書と適性検査Ⅰ〜Ⅲがそれぞれ200点、計800点満点の構成である。
| 評価資料 | 検査時間 | 換算後の配点 | 比率 |
|---|---|---|---|
| 報告書 | — | 200点 | 25% |
| 適性検査Ⅰ | 45分 | 200点 | 25% |
| 適性検査Ⅱ | 45分 | 200点 | 25% |
| 適性検査Ⅲ | 45分 | 200点 | 25% |
| 合計 | — | 800点 | 100% |
この配点から読み取れることは、2つある。まず当日の検査が全体の75%(600点)を占めるということである。報告書(小学校の成績)は25%であり、軽視はできないものの、合否の中心はあくまで当日の適性検査にある。もうひとつは、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの配点が、等しく200点ずつということである。都立中には適性検査Ⅲを課さない学校や、特定の検査に比重を置く学校もあるなかで、小石川は3科目を均等に評価する。つまり、文章読解・資料分析・理数の探究のどれか一つに偏った得意分野だけでは戦いにくく、3科目をバランスよく仕上げる必要がある。
2027年度(令和9年度)の入学者決定の日程は、東京都教育委員会の実施要綱で次のように示されている。
| 項目 | 期日(2027年度・一般枠) |
|---|---|
| 出願情報入力期間 | 2026年12月17日〜2027年1月18日 |
| 出願書類提出期間 | 2027年1月8日〜1月18日 |
| 検査日 | 2027年2月3日(水) |
| 合格発表 | 2027年2月9日(火) |
出願はインターネットによる情報入力と、簡易書留による書類提出を組み合わせて行う。特別枠(自然科学分野)は検査日が2027年2月1日、発表が2月2日と一般枠に先行する日程である。募集要項の詳細は例年9月頃から学校説明会や学校公式サイトを通じて案内されるため、必ず最新の要項を確認してほしい。
適性検査Ⅰ〜Ⅲの出題傾向と対策
小石川の適性検査は、都立中共通の問題と学校独自の問題を組み合わせて出題される。ここでは検査ごとの傾向と、準備の方向性を一般的な学習アドバイスとして整理する。
適性検査Ⅰの対策:文章の読解と作文
適性検査Ⅰは、文章を読み取り内容をまとめた上で自分の考えを記述する検査である。求められるものは、筆者の主張を正確につかむ読解力と、それを踏まえて自分の意見を筋道立てて書く表現力の2つだ。対策としては、文章を読んで要点を短くまとめる練習と、400字程度の条件付き作文を書く練習を、早い時期から並行して積み重ねることが有効である。書いた文章は指導者に読んでもらい、「条件を満たしているか」「相手に伝わるか」の観点で見直す習慣をつけることが大切である。
適性検査Ⅱの対策:資料の分析と数理的な処理
適性検査Ⅱは、グラフや表などの資料を読み取り、計算や考察を通じて答えを導く検査である。社会的な題材のデータ分析、算数的な処理、理科的な考察が組み合わされ、単なる計算力ではなく「資料から何が言えるか」を自分の言葉で説明する力が問われる。日頃から、ニュースや統計資料に触れた際に、「このグラフから分かること・分からないこと」を切り分けて言葉にする練習が有効だ。計算を含む問題では、途中の考え方を書き残しながら解く習慣が、本番での部分点にもつながる。
適性検査Ⅲの対策:理数の応用と探究的な思考
適性検査Ⅲは小石川の独自色が最も強い検査で、理科と算数の知識を土台に、初めて見る題材を実験・観察の視点から考察させる問題が中心である。規則性の発見、条件の整理、仮説を立てて確かめる思考など、探究的な頭の使い方が求められる。対策としては、身の回りの現象について「なぜそうなるのか」を考えて説明する習慣づけと、規則性・場合の数などの算数分野の演習が有効である。理数好きの受検生にとっては力を発揮しやすい検査である一方、45分で解き切る時間配分の訓練も欠かせない。
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よくある質問
小石川中等教育学校の倍率はどのくらいか
小石川の偏差値はいくつか
適性検査Ⅰ〜Ⅲの配点はどうなっているか
2027年度の検査日はいつか
まとめ
東京都立小石川中等教育学校は、応募倍率3.39倍(2026年度)と高い競争が続く都立中の最上位校である。選抜は報告書と適性検査Ⅰ〜Ⅲの各200点・計800点で行われ、当日の検査が75%を占める。文章読解・資料分析・理数の探究という性質の異なる3科目を、時間をかけてバランスよく仕上げることが合格への道筋になる。最後に、この記事の要点を整理しておく。
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参考・出典
- 東京都教育委員会「令和8年度東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定応募状況(一般枠募集)」https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/
- 東京都教育委員会「令和9年度東京都立中等教育学校及び東京都立中学校入学者決定に関する実施要綱・同細目について」(2026年6月11日発表)https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/06/2026061102
- 東京都立小石川中等教育学校 公式サイト・募集要項 https://www.metro.ed.jp/koishikawa-s/
※ 本記事の数値は東京都教育委員会・学校公式の発表をもとに作成している。最新情報は必ず公式発表を確認してほしい。(最終更新:2026年10月)


