【神奈川の県立中等】海外からの移住者等を保護者とする志願者向けに別様式――“受検支援の見える化”を解説

はじめに

神奈川県立中等教育学校の受検では、適性検査そのものの対策に目が向きがちですが、実は受検当日に力を出し切るための申請制度も大切です。令和8年度の受検案内では、海外からの移住者等を保護者とする志願者向けに、「海外からの移住者等を保護者とする志願者の受検方法等申請書」第5号様式が用意されています。これは、単に書類が増えるという話ではなく、言語環境や帰国・入国後の状況などを踏まえ、必要な配慮を事前に確認する仕組みです。今年の内容として押さえつつ、来年以降に神奈川の県立中等を検討する家庭も、早めの相談に活かしてください

この記事で分かること
神奈川県立中等で用意されている海外からの移住者等向けの申請様式
第5号様式で申請できる受検方法等の仕組み
辞書や通訳の持込みではなく、受検環境を整える制度であること
家庭・小学校・塾が早めに確認しておきたい実務上の注意点

ニュース概要――神奈川が用意する「第5号様式」とは

神奈川県の県立中等教育学校、具体的には相模原中等教育学校と平塚中等教育学校の入学者決定では、通常の出願書類とは別に、特別な事情に応じた申請様式が用意されています。今回注目したいのは、海外から移住してきた人や、永住のために海外から引き揚げてきた人を保護者とする志願者向けの申請です。なお、対象となるのは、原則として令和8年2月1日現在で、移住後または引揚げ後3年以内の場合とされています。

この申請では、第5号様式を使い、帰国・入国後の状況や、適性検査の実施にあたって配慮してほしい事項、申請理由などを記入します。さらに、小学校長の所見も必要になるため、家庭だけで完結する手続きではありません。対象になりそうな場合でも、自動的に配慮されるわけではなく、早めに小学校へ相談し、必要な書類を整えることが大切です。

この章のポイント
対象は、海外からの移住者等を保護者とする志願者で、原則として移住後または引揚げ後3年以内の場合
使用するのは第5号様式で、受検方法等について申請する
家庭だけでなく、小学校や志願先校も関わる手続きとして整理したい
登竜問ロゴ
教材作成が追いつかない… そんな塾・学校に。
登竜問なら検索→編集→印刷までワンパッケージ。

どんな支援が想定されているのか

この制度で大切なのは、検査の難易度を下げるものではないという点です。神奈川県の実施要領では、海外からの移住者等を保護者とする受検者についても、原則として通常の受検者と同じ取扱いとされています。ただし、申請書を提出した志願者のうち、教育長が通常の方法では受検が困難と認めた場合には、検査の程度を変えない範囲で、検査方法・検査時間・検査会場について適切な取扱いを行うとされています。

つまり、「合格しやすくなる制度」ではありません。むしろ、本人の力を公平に発揮できるように、受検上の困難を事前に整理するための制度と見るべきです。なお、受検案内では、辞書等の持込みや通訳等の付添いはできないことも明記されています。この点は、保護者や支援者が誤解しやすい部分です。

この章のポイント
制度の目的は、合格しやすくすることではなく受検環境の調整
必要と認められた場合、検査方法・時間・会場などで適切な取扱いが行われる
辞書等の持込みや通訳等の付添いはできない点に注意

申請は「早めの学校相談」がカギ

この申請で特に重要なのは、スケジュールです。受検案内では、申請を行う場合、書類作成等に時間を要するため、必ず12月上旬までに小学校の担任の先生等と相談するよう示されています。申請の流れとしては、保護者が申請書に必要事項を記入し、小学校の先生に相談。その後、小学校の校長と志願先の中等教育学校の校長が申請内容について協議し、必要事項を整えたうえで、出願書類と一緒に郵送する形です。

承認の内容については、令和8年度入試では令和8年1月23日までに通知されるとされています。出願時期が近づいてから慌てると、小学校側の確認や校長所見の準備が間に合わない可能性もあります。特に、帰国・入国時期、編入学の状況、現在の学習環境などは、家庭だけでなく学校側の把握も必要です。

この章のポイント
申請を考える場合は、12月上旬までに小学校へ相談することが重要
申請には小学校長の所見が必要となる
直前対応ではなく、家庭・小学校・志願先校で早めに確認する流れを意識したい

受検生・保護者が注意したいこと

海外からの移住や帰国を経験した家庭では、日本の公立中高一貫校入試の手続きそのものが分かりにくく感じられることがあります。特に神奈川県立中等の場合、ウェブサイト上での志願手続きに加えて、出願書類を簡易書留で郵送する流れがあるため、申請書類が必要な場合はさらに確認事項が増えます。

注意したいのは、「対象になりそうだから自動的に配慮される」わけではないという点です。申請書を用意し、必要な内容を具体的に書き、小学校の先生と相談し、校長の所見を受ける必要があります。また、希望する配慮を書けば必ずその通りになるわけでもなく、最終的には教育長の承認が必要です。

家庭としては、まず「現在の状況で、通常の検査方法に困難があるのか」を整理することが出発点です。日本語の読み書き、検査時間内での処理、検査室での不安、これまで学校で受けてきた支援などを、早めにメモしておくと相談がスムーズになります。

この章のポイント
対象になりそうでも、自動的に配慮されるわけではない
通常の検査方法で困難がある場合は、具体的な状況整理が大切
家庭だけで抱え込まず、担任の先生へ早めに相談したい
登竜問ロゴ
「教材づくりに追われて指導が手薄…」
登竜問ならワンストップで教材準備完了
まずはお気軽にご相談ください。

塾・予備校関係者への注目点

今回の制度は、塾や予備校にとっても無関係ではありません。特に神奈川県立中等を志望する生徒の中に、帰国・入国後間もない家庭や、保護者の日本語理解に不安がある家庭がいる場合、受検対策だけでなく、手続き面の見落としを防ぐ支援が重要になります。

1つ目は、面談時の確認項目に「帰国・入国後の状況」「保護者の海外からの移住・引揚げの有無」を自然に入れることです。もちろんプライバシーへの配慮は必要ですが、該当の可能性を早期に把握できれば、12月上旬までの学校相談につなげやすくなります。

2つ目は、制度の説明を“優遇”として伝えないことです。検査の程度を変えない範囲での取扱いであり、辞書や通訳は不可です。塾側が誤った期待を与えないよう、公式資料に基づいて説明する必要があります。

3つ目は、家庭・小学校・塾の役割分担を明確にすることです。申請書作成や校長所見は学校を通じて進むため、塾は代行者ではなく、家庭が担任に相談しやすくなるよう、状況整理を手伝う立場が現実的です。

この章のポイント
塾は、帰国・入国後の状況を早期に把握する視点を持ちたい
制度を優遇ではなく受検環境の調整として正しく伝える
申請代行ではなく、家庭が小学校へ相談しやすくなるよう状況整理を支援する

まとめ

神奈川県が用意している第5号様式は、海外からの移住者等を保護者とする志願者に対し、受検方法等の申請機会を明確に示すものです。大切なのは、これは合格可能性を高めるための特別枠ではなく、検査の程度を変えない範囲で、本人が力を発揮しやすい環境を整えるための制度だという点です。申請には小学校との相談や校長所見が必要で、令和8年度の案内では12月上旬までの相談が求められています。該当する可能性がある家庭は、出願直前ではなく、早い段階で担任に相談することが大切です。塾・予備校も、制度を正しく伝え、家庭が必要な手続きを見落とさないよう支援したいところです。

この記事のまとめ
神奈川県立中等では、海外からの移住者等を保護者とする志願者向けに第5号様式が用意されている
制度の目的は、特別な優遇ではなく受検環境を整えること
申請には小学校との相談が必要なため、12月上旬までの早めの確認が大切
登竜問ロゴ
月額に換算するとたった 1,375 円*
それで講師 1 人分の教材作成 20 時間 / 月を削減できたら、どう活用しますか?
登竜問は検索・編集・プリントのオールインワンだから、
費用以上の“時間資産”を生み出します。
* 年間 16,500 円(税込)を 12 か月で割った場合
登竜問なら講師 の作業時間を大幅に削減
効率化で合格実績アップをサポートします。

参考・出典

神奈川県教育委員会「令和8年度 神奈川県立中等教育学校 受検案内」
第5号様式の使用、12月上旬までの相談、辞書等の持込みや通訳等の付添い不可、承認内容の通知時期などを確認。
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/90062/r8chutojuken.pdf

神奈川県教育委員会「令和8年度 神奈川県立の中等教育学校の入学者の募集及び決定に関する実施要領」
募集定員、検査日程、海外からの移住者等を保護者とする受検者への取扱い、検査の程度を変えない範囲での配慮等を確認。
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/75698/r8chutoyoryo.pdf

神奈川県「神奈川県立中等教育学校の入学者の募集及び決定に係る様式等」
第5号様式を含む各種様式の掲載状況を確認。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/nyusen/chutoyoshiki.html