【2027年度受験】私立中学校の適性検査型入試 完全ガイド|公立中高一貫校志望者の併願先の選び方と実施校の探し方

私立中学校の適性検査型入試 完全ガイド

はじめに

公立中高一貫校を第一志望にする家庭が秋に向き合うのが「私立中学校の併願をどうするか」である。公立中高一貫校は同一の都道府県内で検査日が重なるため、基本的に1校しか受験できない。そこで検討されるのが、私立中が実施する適性検査型入試だ。公立中の適性検査に似た形式のため対策を共有でき、公立中の合格発表より前に結果が出る学校が多い。

一方で、この入試方法は名称、日程、科目構成が学校ごとに異なり、何をどこで確認すればよいかが分かりにくい。本記事は、私立中の適性検査型入試の全体像をつかむための入口となる総合ガイドである。学校別の詳細は、今後の記事で紹介していく。

この記事で分かること
私立中の適性検査型入試とは何か、公立中高一貫校の適性検査との違い
なぜ公立中高一貫校志望者の併願先になるのか
2027年度募集要項で確認したい8項目と、適性検査型入試の実施を公表している学校(確認できた範囲)
公立中専願/私立中併願の分岐と、対策の共通点・相違点

適性検査型入試とは【私立中学校が行う「公立中高一貫校型」の入試】

適性検査型入試とは、私立中学校が、公立中高一貫校の適性検査に似た形式で実施する入試である。教科別のテストではなく、文章や資料を読んで考えを記述する問題、教科をまたぐ総合問題、作文などで構成されるのが一般的で、公立中高一貫校の受験を考える児童が慣れた形式のまま受験できるよう設けられている。

注意したいのは、名称が学校によって異なることだ。「適性検査型入試」「適性検査入試」が多いが、「公立一貫型」「思考力型」「総合型」「探究型」などと呼ぶ学校もあり、逆に「思考力」を名乗っていても公立中高一貫校の適性検査とは異なる独自形式の場合がある。名前だけで判断せず、募集要項の科目名(適性検査Ⅰ・Ⅱなど)と出題の説明で、公立中高一貫校型かどうかを確かめることが出発点になる。

適性検査型入試とは ポイントまとめ
私立中が公立中高一貫校の適性検査に似た形式で行う入試。教科別テストではない
名称は学校ごとに違う。科目名と出題説明で公立中高一貫校型かを判断する

公立中高一貫校の適性検査との共通点・相違点

公立の中等教育学校・併設型中学校は、文部科学省の説明にあるとおり入学者の決定に学力検査を行わず、作文・適性検査・報告書・面接などを組み合わせて選抜する。私立中学校の適性検査型入試は、この「適性検査」の部分を出題形式として取り入れたものだ。

観点公立中高一貫校の適性検査私立中の適性検査型入試
出題形式作文・資料読み取り・理数的思考の総合問題同様の形式が中心。科目数や型は学校が独自に設定
試験日(首都圏)東京都立・神奈川県立は2月3日(2027年)。千葉県立は12月と1月の2段階埼玉・千葉の学校は1月、東京・神奈川の学校は2月1日以降が多い
合格発表都立は2月9日、神奈川県立は2月10日(2027年)当日夜〜数日後が多い
受験できる校数基本的に1校(神奈川県立は要領で「いずれか1校」と明記)複数校・複数回の受験が可能
※ 公立中の情報は各教育委員会の令和9年度実施要綱・要領・日程(記事末尾の出典)による。私立中の情報は本記事で確認した範囲の傾向であり、必ず各校の募集要項で確認してほしい。

日程の違いは特に大切だ。2027年の検査日は、都立中高一貫教育校の一般枠募集と神奈川県立中等教育学校がともに2月3日(水)で、合格発表は2月9日(火)・2月10日(水)。千葉県立中学校は一次検査が2026年12月5日(土)、二次検査が2027年1月24日(日)である。私立中の入試は埼玉県・千葉県の学校が1月、東京都・神奈川県の学校が2月1日以降に集中するため、公立中の検査より前に受験でき、公立中の合格発表より前に結果が出る学校が多い。

もう一つの違いは合格後の手続きである。私立中には入学手続きの締切があり、入学金などの納入を伴うことが多い。公立中高一貫校の受験者に延納を認める学校、延納手続きなしで公立中の発表後に締切を置く学校、延納の記載がない学校があり、差が大きい。

共通点・相違点 ポイントまとめ
出題形式は似ているが、科目数・型・配点は各私立中が独自に決める
私立中は埼玉・千葉が1月、東京・神奈川が2月1日以降。公立中の検査日より前が多い
手続き締切と延納の有無は学校による。募集要項で最優先に確認する
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なぜ公立中高一貫校志望者の併願先になるのか

併願先の候補になる理由は3つある。

① 対策の大部分を共有できる

学力型入試(4科・2科)を併願すると教科別の対策を別途積み上げる必要があるが、適性検査型入試なら作文・資料の読み取り・理数的思考という公立中対策の中心がそのまま生きる。

② 本番前に「本番の形式」を経験できる

公立中高一貫校の検査は1回きりで、練習の機会は模擬試験に限られる。適性検査型入試を先に受けておけば、時間配分や緊張の中で資料を読む感覚を実際の入試の場で確かめてから、公立中の検査日を迎えられる。

③ 公立中の合格発表前に結果が出て、家庭の判断材料になる

公立中は基本的に1校しか受験できないため、結果を待つ間に「進学先の候補がある」状態をつくれることは、家庭の見通しを立てるうえで意味がある。進学するかどうかは別の判断だが、選択肢が手元にあるかどうかで、公立中の検査当日の気持ちの持ち方も変わる。

併願先になる理由 ポイントまとめ
対策の中心を共有でき、公立中の検査日より前に本番形式を経験できる
公立中の合格発表前に結果が出る学校が多く、家庭の判断材料になる。ただし併願は必須ではなく、後述の基本型で家庭ごとに決める

学校の探し方と2027年度募集要項の確認ポイント

実施校は首都圏だけでも多数あり、実施の有無や内容は年度ごとに変わる。前年に実施していた学校が取りやめる例もあるため、必ず2027年度(令和9年度)の募集要項で確認するのが原則だ。探し方は次の3段階が現実的である。

  • 通学圏の私立中学校を洗い出す:埼玉県のように、県内の私立中の入試区分・試験日の一覧を県が公表している例もあり、参照できる
  • 各校公式サイトの2027年度募集要項で入試区分を確認する:前年度の募集要項しかない学校は「公表待ち」として保留にする
  • 説明会・個別相談で細部を聞く:出題の型、面接の形式・内容、入学金の延納の条件など

募集要項で確認する8項目チェックリスト

次の8項目を1校1枚のメモに書き出すと比較しやすい。

  • 入試の名称:複数の型がある場合、どれが公立中高一貫校型か
  • 日程と回数:試験日・午前/午後・集合時間。公立中の検査日と重ならない回はどれか
  • 科目構成と時間:2科目型か3科目型か、1科目あたりの時間
  • 配点:各科目の点数
  • 面接・報告書の扱い:面接の有無、報告書(調査書)や自己申告書などの提出要否と点数化の有無
  • 出願方法と期間:出願の開始日・締切日、受験料(複数回同時出願の扱い)
  • 合格発表の日時と方法:公立中の合格発表日より前に分かるか
  • 入学手続きの締切と入学金延納の有無:締切日時、納入額、公立中高一貫校受験者への延納対応の有無と条件

2027年度募集要項の公表を確認できた実施校(2026年9月時点)

2026年9月時点で、公式サイトに2027年度(令和9年度)の募集要項が公表され、適性検査型(公立中高一貫校型)の入試区分が明記されていることを確認できた学校を挙げる。確認できた範囲のみの掲載であり、実施校は他にも多数ある。2027年度分は各校の募集要項公表にあわせて順次追記する。

学校名(所在地)入試名称(募集要項の表記)実施日(2027年)科目構成確認日
順天堂大学系属理数インター中学校(学校法人宝仙学園・東京都中野区)適性検査入試2月1日(月)〜(複数回)Ⅰ(作文・40点)・Ⅱ(総合問題・50点)+調査書(10点)2026年9月
安田学園中学校(東京都墨田区)先進特待入試・適性検査型2月1日(月)午前、2月2日(火)午前Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(各45分・各100点)2026年9月
聖徳学園中学校(東京都武蔵野市)適性検査型入試2月1日(月)午前Ⅰ・Ⅱ(2科型)またはⅠ・Ⅱ・Ⅲ(3科型)、各45分・各100点2026年9月
共立女子第二中学校(東京都八王子市)適性検査型2月1日(月)午前Ⅰ(国語)・Ⅱ(算数・理科・社会の合科型)、各45分2026年9月
自修館中等教育学校(神奈川県伊勢原市)A1日程 適性検査型2月1日(月)午前Ⅰ・Ⅱ(各50分・各100点)2026年9月
浦和実業学園中学校(埼玉県さいたま市南区)適性検査型1月11日(月・祝)午前、1月19日(火)午前11日はⅠ・Ⅱ、19日はⅠ・Ⅱ・Ⅲ(各50分・各100点)2026年9月
千葉明徳中学校(千葉県千葉市中央区)適性検査型入試1月20日(水)午前県立・市立の型から選択(各45分・各100点)+グループ面接。別会場で都立・区立対応の都立型(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、各45分・各100点、面接なし)もある2026年9月
出典:各校公式サイトの2027年度(令和9年度)募集要項(URLは記事末尾)。内容は要約であり、受験の際は必ず原文で確認してほしい。

同じ「適性検査型」でも、科目数、調査書の点数化、特定の公立中高一貫校に合わせた型、面接の有無や形式、入学金の延納の扱いが学校ごとに異なる。必ず募集要項の原文で8項目を確認してほしい。

学校の探し方 ポイントまとめ
通学圏で洗い出す→2027年度募集要項で確認→説明会で細部を聞く、の3段階
実施の有無は年度で変わる。前年度の情報で判断せず、2027年度の募集要項で8項目を確認する
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併願設計の基本型【公立中専願か、私立中併願か】

受けるかどうかは家庭の方針で分かれる。大きくは次の2つの型があり、どちらが正しいということはない。

公立中専願:公立中高一貫校1校に絞り、不合格なら地元の公立中学校へ

私立中学校への進学を考えていない家庭の型である。対策を公立中の適性検査に集中でき、私立中の受験料や移動の負担も加わらない。練習目的で私立中を受験する場合は、「合格したのに行かない」判断をお子様にどう説明するかまで出願前に決めておきたい。

私立中併願:公立中高一貫校を第一志望に、進学してもよい私立中を1〜2校

私立中への進学も選択肢に入れている家庭の型である。併願校は「合格したら通う可能性がある学校」に絞るのが基本だ。学校数を増やすほど出願・移動・体力消耗・手続き金の管理が増え、公立中の検査当日に響く。併願校の数と日程の組み方は、次の記事で3パターンに分けて解説している。

▶ あわせて読みたい:私立併願で消耗しない!公立中高一貫の“併願設計”3パターン

どちらの型でも決めておきたいのは、「私立中に合格し、公立中が不合格だった場合にどうするか」である。答えが家庭内で一致していないと、手続き締切の直前に判断を迫られる。

併願設計 ポイントまとめ
公立中専願・私立中併願に優劣はない。家庭の進学方針で決める
併願校は「通う可能性がある学校」に絞り、「私立合格・公立不合格」のときの答えを事前にそろえる

公立中高一貫校と私立中高一貫校を比べるポイント【優劣ではなく相性】

併願校を絞るには、公立中高一貫校と私立中高一貫校を同じ物差しで見ておく必要がある。優劣ではなく、家庭とお子様にどちらの環境が合うかという観点で、次の項目を比較検討してほしい。

  • 費用:6年間の総額。私立中は学校ごとに差があり、特待・奨学の条件も異なる
  • 通学:6年間毎日通い続けられる経路かどうかを、実際に往復して確かめる
  • 6年間の教育内容:高校段階への進み方、探究活動や英語教育などの方針、進路指導の考え方
  • 学校生活と学習支援:校風・部活動、授業についていけなくなったときの補習の仕組み

公立中と私立中の制度上の違いは次の記事で体系的に整理している。

▶ あわせて読みたい:公立中高一貫校と私立校の違いとは?どちらを選ぶべきか徹底比較!

対策の共通点と相違点【学力型入試は別物】

対策は公立中高一貫校の適性検査対策と大部分が重なる。共通の土台は次の3つだ。

  • 作文:文章を読んで自分の考えを条件に沿って書く
  • 資料の読み取り:グラフ・表・地図から必要な情報を取り出し、根拠を示して説明する
  • 理数的思考:規則性・図形・割合などを会話文や実験の設定の中で考える

そのうえで、学校ごとに異なる点がある。第一に出題の型。特定の公立中高一貫校の形式に寄せている学校なら、その公立中の過去問が最も近い教材になる。第二に科目数。3科目型なら理数中心の適性検査Ⅲの対策に時間を割く。第三に私立中独自の要素。調査書の点数化、面接、自己申告書の提出などがあれば別途準備する。

強調したいのは、私立中の学力型入試(4科・2科)は別物であるという点だ。学力型入試は教科別の知識と解法を問う入試であり、適性検査の対策だけでは対応しにくい。学力型に手を広げると対策が二本立てになり、受験学年の秋以降に負担が急増する。学力型を加えるかどうかは、お子様の余力を見て慎重に決めたい。

▶ あわせて読みたい:【2027年受検】過去問はいつから?“解く→直す→伸ばす”の回し方

対策の共通点と相違点 ポイントまとめ
作文・資料の読み取り・理数的思考は共通の土台。異なる点は出題の型・科目数・私立中独自の要素
私立中の学力型入試(4科・2科)は別物。対策が二本立てになる負担を理解して判断する

よくある質問

Q同じ学校の適性検査型入試と学力型入試の両方に出願できるか
A複数の入試区分に出願できる学校は多く、複数回同時出願で受験料が据え置きになる学校もある。ただし扱いは学校ごとに異なるため、募集要項の「出願」「受験料」の項目で確認してほしい。学力型入試を加えると対策が二本立てになる点は、お子様の余力とあわせて考えたい。
Q公立中高一貫校の対策だけで、私立中学校の適性検査型入試に対応できるか
A土台は共通しているため、対策の大部分は生かせる。一方で、科目数、出題の型、調査書や面接などの私立中独自の要素は学校ごとに違う。志望校の募集要項と公開されている過去問を一度確認し、足りない部分だけを補うのが現実的である。
Q私立中学校の適性検査型入試は、公立中高一貫校の適性検査より難しいのか
A一概には言えない。難しさは学校や回・型によって異なり、特待生制度・奨学金制度の認定には合格とは別に高い得点率が求められる場合がある。難易度の比較よりも、志望校の過去問を実際に解いて、時間内に取り組める形式かどうかを確かめるほうが判断の役に立つ。
Q合格した私立中学校の入学手続きは、公立中高一貫校の合格発表まで待ってもらえるか(延納はできるか)
A学校による。公立中高一貫校の受験票の提示などを条件に延納を認める学校、延納手続きなしで公立中の発表後に締切を設定している学校、延納の記載がない学校がある。締切日時や納入額の扱いも学校ごとに違うため、募集要項の「入学手続き」の項目を必ず原文で確認してほしい。
Q併願する私立中学校は、いつから探し始めればよいか
A多くの私立中は、受験の前年の夏から秋に翌年度の募集要項を公表し、9〜11月に説明会を開く。候補校の洗い出しは受験学年の夏までに済ませ、秋の説明会で細部を確認し、出願前に併願校を決めておくと、公立中の対策に集中する時間を確保しやすい。
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まとめ

私立中学校の適性検査型入試は、対策の共有・本番形式の経験・公立中の合格発表前に結果が出るという3つの理由から、公立中高一貫校志望の家庭の併願先になっている。ただし名称・日程・科目構成・手続きは学校ごとに異なり、実施の有無も年度で変わる。各学校の2027年度の募集要項の原文で確認し、「通う可能性がある学校」に絞ることが、公立中の適性検査対策を進めながら私立中を併願する近道である。

まとめ
適性検査型入試=私立中が公立中高一貫校の適性検査に似た形式で行う入試。名称は学校により異なる
私立中の試験日は埼玉・千葉が1月、東京・神奈川が2月1日以降。公立中の合否発表前に結果が出る学校が多い
募集要項で名称・日程・科目・配点・面接や報告書・出願・発表・手続き締切と延納の8項目を確認する
公立中専願か私立中併願かは家庭の方針で決め、併願校は「通う可能性がある学校」に絞る
作文・資料読み取り・理数的思考は共通の対策。私立中の学力型入試は別物

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参考・出典

※ 本記事の私立中学校に関する記載は、2026年9月時点で各校公式サイトに公表されている2027年度(令和9年度)募集要項の要約である。入試の名称・日程・科目・配点・手続きは変更される場合があるため、受験の際は必ず各校公式サイトの募集要項原文と最新のお知らせを確認してほしい。実施校は本記事に掲載した学校以外にも多数あり、2027年度分は各校の募集要項公表にあわせて順次追記する。(最終更新:2026年10月)