【2026年最新版】都立武蔵高等学校附属中学校 完全ガイド|倍率・適性検査・合格対策を徹底解説

この記事で分かること
2026年度の応募倍率2.08倍・受検倍率2.01倍の実態と過去10年の推移
都立武蔵最大の特色「地球学」をはじめとする5つのカリキュラム的特徴
適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ各回の出題傾向と、塾での指導ポイント
報告書(内申)と適性検査の配点比率・合否に与える影響
大学進学実績(国公立現役50%・東大合格実績)と高校連携の実態

都立10校の中で「理系探究型」のイメージが強い東京都立武蔵高等学校附属中学校。かつては4倍超の高倍率で知られたが、2026年度は応募倍率2.08倍まで低下し、受検機会としては落ち着きつつある。一方で国公立大学への現役進学率は約50%を維持しており、「入れる難度は落ち着いたが、入ったあとの伸び代は健在」という評価が塾関係者の間で定着しつつある。

本記事は、2026年度の最新データをベースに、武蔵附属中の倍率推移・選抜方式・適性検査の傾向・合格対策を、塾関係者・家庭双方の視点でまとめたものである。指導校選定や保護者向け説明会の資料作りにそのまま活用できるよう構成した。

なお2025年度入試から男女合同定員(計120名)に移行しており、従来の「男女各60名」とは選抜方式が変わっている点にも注意が必要だ。以下、順を追って解説する。

都立武蔵 2026年度の基本データと倍率推移

まず数字で現状を把握しておきたい。2026年度(令和8年度)の武蔵附属中入試の概要は以下の通りである。

項目 内容
正式名称 東京都立武蔵高等学校附属中学校
所在地 東京都武蔵野市境4丁目13-28
募集定員(2026) 120名(男女合同・2025年度より変更)
2026年度 応募倍率 2.08倍
2026年度 受検倍率 2.01倍
適性検査日 2026年2月(例年2月上旬)
報告書提出 出願時(5・6年生時の評価)

出典:東京都教育委員会 令和8年度都立中等教育学校等入学者決定に関する調査書

倍率10年推移:ピーク時の半分以下に

武蔵附属中の倍率は2016年度の4.86倍をピークに、一貫して低下している。2021年度以降は3倍を下回り、2026年度は2.01倍と過去10年で最低水準に達した。

年度 応募者数 受検者数 合格者数 受検倍率
2016年度 4.86倍
2020年度 3.3倍前後
2021年度 2.9倍前後
2022年度 2.7倍前後
2023年度 2.6倍前後
2024年度 2.6倍前後
2025年度 120 2.28倍
2026年度 120 2.01倍

※2020〜2023年度は概算値。出典:各年度東京都教育委員会発表資料・ena分析速報

▶ 都立10校全体の2026年度倍率比較はこちら:【都立中高一貫”応募倍率速報”の正しい読み方】

倍率データ ポイントまとめ
2026年度受検倍率2.01倍は過去10年で最低水準。ピーク(2016年・4.86倍)の半分以下
2025年度から男女合同定員に変更。性別問わず120名を一括選抜
倍率低下は「敬遠されている」ではなく「他校・私立との志望分散」が主因とみられる
塾向けには「入りやすくなったが伸びる学校」として積極提案の余地あり

都立武蔵の5つの特色:「地球学」を軸とした探究型教育

武蔵附属中の教育方針は「豊かな知性と感性・健康な心と体・向上進取の精神」の3本柱。他の都立校と一線を画すのが、独自の探究教科「地球学」を中心とした学習体制である。

① 地球学——武蔵の看板プログラム

「地球学」は武蔵附属中最大の特色だ。自然・社会・人間という3領域を横断的に学び、地球規模の課題(気候変動・人口問題・エネルギーなど)を「自分ごと」として探究する。文献調査・実験・フィールドワーク・インタビューを組み合わせ、成果発表まで一貫して生徒主体で進める。この「問いを立て・調べ・まとめ・伝える」サイクルが、適性検査での長文記述力と資料分析力の素地にもなっている。

② 少人数・習熟度別授業

数学・英語を中心に習熟度別の少人数授業を実施。理科はチームティーチング制で実験・観察を重視する。個別の理解度に応じた対応が可能なため、受検段階での「得意不得意の偏り」を持つ生徒でも入学後に伸びやすい環境が整っている。

③ 英語教育——TGGと海外接続

中学3年生は「東京グローバルゲートウェイ(TGG)」での体験学習に参加し、英語でのプロジェクト活動を行う。高校2年生からはタブレットを使った海外講師とのマンツーマン英会話(オンライン)も導入。英語を使う実体験を積み重ねる仕組みが整っている。

④ 高校との完全連携カリキュラム

附属中と武蔵高校は一体運営。中学の段階から高校内容を先取りした発展学習が可能で、難関国公立大学受験に対応できるカリキュラム設計が施されている。高校からの外部入学者は存在せず、6年間を通じた学習計画が立てやすい。

⑤ 生徒主体の行事と設備

音楽祭・文化祭・体育祭はすべて生徒企画・生徒運営。自治能力と協調性を高める場として機能している。施設面では2003年竣工の校舎に全教室エアコン完備。屋上プールや広い体育館を備え、学習環境は充実している。

学校特色 ポイントまとめ(塾向け)
「地球学」は武蔵だけの探究教科。課題設定〜発表まで生徒主体で進める
少人数・習熟度別授業により、受検後に「伸びやすい環境」が担保されている
英語はTGG体験+オンライン英会話と実践重視。英語に強い生徒向けアピールポイント
外部入学者なし・高校との完全連携で6年一貫の学習計画が立てやすい


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都立武蔵 適性検査の傾向と特徴(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)

武蔵附属中の選抜で最も重要なのが適性検査3科(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)だ。他の都立校が適性Ⅰ・Ⅱの2科を主軸とする中、武蔵はⅠ・Ⅱ・Ⅲを均等配点で評価する数少ない学校のひとつ。適性Ⅲは武蔵独自作成問題であり、図形・理科の融合問題が出題される点が大きな特徴だ。

適性検査Ⅰ(共同作成問題・読解・作文)

東京都共同作成問題。長文読解を中心に、自分の考えを論理的に表現する記述・作文が問われる。難解な表現を含む場合もあり(口語訳付き古文が出題された年もある)、文章を正確に読み取り、自分の言葉で再構成する力が必要だ。作文では「自分の経験をふまえて」という出題形式が多く、抽象的なテーマに対して具体的なエピソードで論述できる練習が有効である。

適性検査Ⅱ(共同作成+武蔵独自問題・社会・理科・算数)

大問3題・小問7題構成。大問1は都共同作成(社会・理科的資料の読み取り)、大問2が武蔵の独自問題(割合計算・資料統合分析)。社会的文脈を含む長文資料から情報を整理し、計算と論述を組み合わせて解答する形式が多い。情報の正確な読み取りと「なぜそうなるか」の説明力が求められる。

適性検査Ⅲ(武蔵独自問題・図形・理科的思考)

武蔵独自問題で大問2題構成。これが武蔵対策の核心となる。

  • 大問1:図形問題 平面図形・立体図形・展開図を扱う問題が頻出。立体的な思考力と、図形の性質を活用した数理的分析力が問われる。私立受験の算数とは出題軸が異なるため、公立中高一貫専用の図形訓練が必要だ。
  • 大問2:科学的考察 小学校の理科の範囲内でありながら、教科書に直接載っていない題材が扱われることが多い。資料・グラフ・表をもとに「なぜそうなるか」を自分の言葉で説明する、考察型の問題が中心となる。
検査 問題作成 主な内容 求められる力
適性検査Ⅰ 都共同 長文読解・作文・論述 読解力・論理的表現力
適性検査Ⅱ 共同+武蔵独自 社会・理科的資料・割合計算 資料分析・計算・説明力
適性検査Ⅲ 武蔵独自 図形・科学的考察 立体的思考・科学的推論

出典:東京都立武蔵高等学校 適性検査問題等公開資料・ena2026年度分析速報

適性検査 ポイントまとめ(塾向け)
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの配点が均等。3科すべてに手を抜けない設計
適性Ⅲは完全独自問題。都共同問題の演習だけでは対策が不十分
図形問題は私立算数と出題軸が異なる。公立中高一貫専用の立体図形対策が必要
理科分野は「知識」より「考察・説明」が主眼。グラフ読み取り→論述の練習が有効

配点・報告書の比率と選抜の仕組み

選抜は「報告書(内申書)+ 適性検査」の総合評価で行われる。2026年度の配点は以下の通りである。

評価項目 配点 割合
報告書(内申書) 400点 25%
適性検査Ⅰ 400点 25%
適性検査Ⅱ 400点 25%
適性検査Ⅲ 400点 25%
合計 1,600点 100%

出典:東京都教育委員会「令和8年度入学者決定に関する実施要綱」

報告書(内申)は25%。適性検査3科が75%を占めるため、当日の検査結果が合否を大きく左右する構造だ。一方、報告書が25%と無視できない比重があるため、小学校の通知表での評価も軽視できない。特に「学習・生活態度」に関わる評価が含まれる場合は、日頃の授業態度も指導対象となる。

配点・選抜 ポイントまとめ
適性検査3科が合計75%。当日の出来が合否に直結する
報告書(内申)は25%。小5・6年の通知表が対象
Ⅰ:Ⅱ:Ⅲが等配点のため、苦手科目を作らない「オールラウンド型」の指導が必要


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都立武蔵に合格するための対策——科目別・時期別に解説

武蔵附属中の合格対策で塾が意識すべきは「適性Ⅲの独自問題を対策しながら、Ⅰ・Ⅱも並行して仕上げる」という3科均等アプローチだ。下記に科目別のポイントをまとめる。

適性検査Ⅰ対策——「型を持った作文」が武器になる

毎年出題される論述・作文は「型」の定着が最重要だ。主張→根拠→具体例→結論という構成を繰り返し練習し、どのテーマが来ても同じ構造で書けるようにする。古文・詩など難解な素材が出題された場合でも、「文章全体が何を言いたいか」を捉える訓練が有効である。読書量と感想文の練習が長文読解・作文力双方に効く。

適性検査Ⅱ対策——「資料→計算→説明」の連携を鍛える

大問2(武蔵独自)では割合計算と資料統合が組み合わさる。数値を正確に読み取り、計算し、「なぜそうなるか」を文章で説明する練習を積む。社会・理科の基礎知識も必要だが、むしろ「資料を使って考える」態度の方が重要だ。模試や過去問で長文資料問題に慣れることを優先したい。

適性検査Ⅲ対策——独自問題に特化した図形・理科訓練

武蔵対策の最大のポイントがここだ。

図形(大問1):立方体の展開図・切断面・回転体など、立体図形を視覚的にイメージする訓練が欠かせない。私立受験用の算数教材とは傾向が異なるため、公立中高一貫校向けの図形教材を使って特訓することを推奨する。

科学的考察(大問2):グラフ・表から仮説を立て、論理的に推論し、自分の言葉で説明する練習が有効だ。「観察→分析→説明」のサイクルを繰り返す理科実験の経験は、この問題への対応力を直接高める。

スケジュール感(目安)

時期 主な取り組み
小5前半 読書・作文習慣の確立。算数の基礎固め(図形・割合)
小5後半 適性検査Ⅰ・Ⅱ型の問題に慣れる。資料読み取り演習開始
小6前半 適性検査Ⅲ(図形・理科)の特訓開始。過去問(武蔵独自)を解く
小6秋〜冬 3科総合演習。時間配分・記述スピードの仕上げ。志願理由書の準備
直前期(1月) 過去5年分の再演習。弱点補強。当日の時間管理シミュレーション
合格対策 ポイントまとめ(塾向け)
Ⅰは「型のある作文」。Ⅱは「資料→計算→説明の連携」。Ⅲは「立体図形と科学的推論」
適性Ⅲは武蔵独自。都共同問題の演習だけでは合格点に届かないケースが多い
小5秋〜小6前半で独自問題への慣れを作ることが合否の分かれ目
時間配分は3科均等が基本。どれかに偏ると失点リスクが高まる

都立武蔵の2025年度 進学実績——国公立現役50%の現状

武蔵附属中から進む武蔵高校の大学進学実績は、都立校の中でも屈指の水準だ。2025年度の主な実績は以下の通りである。

大学区分 合格実績(2025年度)
国公立大学 現役進学率 約50%
東京大学 合格者輩出(理科Ⅲ類含む)
慶應義塾大学医学部 合格者あり
早慶合計 73名
上智大学 53名(前年19名から大幅増)

出典:都立高のトリセツ「2025年度 都立武蔵高等学校 進路・大学進学実績」

卒業生の2人に1人が国公立大学に進学するという実績は、都立の中高一貫校として見ても上位水準だ。理系大学への進学者が多いが、上智大学53名(前年比約2.8倍)という数字が示すように、文系方向への実績も伸びている。「地球学」を通じた探究型教育の効果が、多様な分野への進路として現れていると考えられる。

▶ 都立全体の大学進学実績と比較する:【2026年最新版】中高一貫校の動向まとめ

まとめ——武蔵附属中を塾でどう活かすか

まとめ:都立武蔵附属中 チェックリスト
2026年度受検倍率2.01倍。10年で最低水準。「入りやすくなったが育つ学校」として積極提案の好機
2025年度から男女合同定員120名。従来の男女別枠ではなく、一括選抜
適性Ⅲ(武蔵独自・図形+科学的考察)の対策が合否を分ける。都共同問題だけでは不十分
報告書25%・適性検査75%の配点。小学校の成績管理も並行して指導することが望ましい
「地球学」を軸とした探究型教育で、思考力・表現力・自主性が育ちやすい環境
国公立大学現役進学率約50%。理系だけでなく文系・医学部系にも実績あり

倍率2倍台という数字は、都立中高一貫校の中では比較的手が届きやすい水準に見える。しかし適性Ⅲの独自問題は難度が高く、専用対策を施さない限り合格は難しい。「倍率が下がったから大丈夫」という誘い文句ではなく、「独自の入試に対応できる力を付けることが前提」という正確な見通しを保護者に伝えることが、塾としての信頼につながる。武蔵附属中を受検する生徒が、6年間充実した探究学習を経て志望大学に進めるよう、確実な準備をサポートしていきたい。


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よくある質問(Q&A)

Q2026年度の倍率はどのくらいですか?
A2026年度(令和8年度)の応募倍率は2.08倍、受検倍率は2.01倍です。2016年度のピーク(4.86倍)と比べると半分以下の水準となっており、過去10年で最も低い倍率での入試となりました。
Q適性検査Ⅲは他の都立校と何が違うのですか?
A適性検査Ⅲは武蔵附属中の独自作成問題です。図形問題(立体図形・展開図など)と科学的考察(グラフ・資料をもとにした推論・記述)の大問2題で構成されており、他の都立校では出題されない形式です。都共同作成問題の演習だけでは対策が不十分なため、武蔵専用の対策が必要となります。
Q「地球学」とはどのような授業ですか?
A地球学は武蔵附属中の看板プログラムで、自然・社会・人間という3領域を横断的に学ぶ探究型教科です。気候変動や人口問題など地球規模の課題をテーマに、文献調査・実験・フィールドワーク・発表まで生徒が主体的に進めます。この経験が適性検査での長文記述力・資料分析力の土台にもなっています。
Q報告書(内申書)はどの程度合否に影響しますか?
A総合点1,600点中400点(25%)が報告書点です。適性検査3科が合計1,200点(75%)を占めるため、当日の検査結果が合否を大きく左右しますが、報告書の25%も無視できない比重です。小学5・6年生の通知表が評価対象となるため、日頃の学習態度も含めたサポートが必要です。
Q2025年度から男女合同定員に変わったとはどういう意味ですか?
A従来は男女各60名を別枠で選抜していましたが、2025年度入試から男女合計120名を一括選抜する「男女合同定員」に変更されました。性別による枠がなくなったため、男女関わらず成績上位120名が合格します。全体の競争構造が変わった点として保護者への説明時に注意が必要です。
Q大学進学先の傾向を教えてください。
A武蔵高校からの2025年度実績として、国公立大学への現役進学率は約50%、東京大学・慶應義塾大学医学部への合格者も輩出しています。早慶合計73名、上智大学53名(前年比約2.8倍増)など、理系に限らず文系・医学部方面にも幅広い実績があります。



【参考・出典】
東京都教育委員会「令和8年度 都立中等教育学校等入学者決定に関する実施要綱」/
東京都立武蔵高等学校 適性検査問題等公式ページ
ena 2026年度適性検査分析速報(武蔵)
都立高のトリセツ「2025年度 都立武蔵高等学校 進路・大学進学実績」
最終更新:2026年6月25日