はじめに
さいたま市立大宮国際中等教育学校は、埼玉県内で唯一の中等教育学校として、6年間を通じた一貫教育を提供しています。国際的な視野を持った人材の育成を目指し、国際バカロレア(IB)のプログラムや、ICTを活用した探究学習が特徴です。未来を担う生徒たちが、粘り強く成長し続ける力を身につけるための多彩なプログラムが整っています。また、入学者選抜も独自の形態で行われており、受検に向けた対策が重要です。本記事では、大宮国際中等教育学校の特徴や受検対策を徹底解説しますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
大宮国際中等教育学校の概要
さいたま市立大宮国際中等教育学校は、埼玉県内で唯一の中等教育学校として、6年間を通じた一貫した教育を提供しています。大宮国際中等教育学校では、未来に必要とされる学力や国際的な視野を育むことを目標としています。特に、国際バカロレア(IB)のミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)とディプロマ・プログラム(DP)に認定されています。DP資格は取得時の点数に応じて、国内のみならず、海外の大学への進学にも役立つ資格です。また、国際的な視野を育むことに加え、課題解決型の探究学習を中心に据えたカリキュラムも特徴です。さいたま市が掲げる「Grit(粘り強さ)」「Growth(成長)」「Global(国際的視野)」を校訓とし、これからの社会で求められる力を養成することを目指しています。
大宮国際中等教育学校では、学びの意義を深く理解し、自ら課題に挑戦し解決していく姿勢を育むことが重視されています。さらに、海外研修やフィールドワークといった国際的な学習機会も提供されており、生徒はグローバルな視点とローカルな視点を持つ人材へ成長できる環境が整っています。
大宮国際中等教育学校の特色

大宮国際中等教育学校は、生徒一人ひとりが主体的に学び、国際的な視野を持って課題に取り組むための多彩なプログラムが用意されています。以下ではその特色について詳しく解説します。
探究学習とICTの活用
大宮国際中等教育学校では、探究学習のサイクルである、調査、探究、振り返りを徹底するため、生徒全員にPCを配布しています。生徒たちの成果物をデジタルポートフォリオとして蓄積することでICTを活用した生徒たちが互いの成果物を確認し、意見交換をしやすい環境を作り上げています。
また、「Classi」や「Microsoft Teams」などのシステムを通じて、生徒が1日の活動の振り返りを行うことで、ICTの力を最大限活用したメタ認知力の向上や個別最適な学びへと結びつけています。
3Gプロジェクト
学校の特色として、さいたま市が掲げる「Grit(粘り強さ)」「Growth(成長)」「Global(国際的視野)」を基盤とした3Gプロジェクトがあります。このプログラムでは、身近な問題からグローバルな課題まで、さまざまなテーマを探究しながら、問題解決能力を養います。生徒たちは日本語や英語でディスカッションを行い、協働して最適な解決策を見つける力を育成します。
Learner Directed Time(LDT)
LDTは、自分自身で学習をプロデュースする時間として隔週土曜日に実施されます。大学や研究機関、地域の専門家からのアドバイスを受け、生徒が自分の興味に基づいた学びを深める取り組みです。また、3Gプロジェクトでの成果を地域の人々や保護者に発表する機会もあり、外部とのつながりを通じてさらに学びを広げていくことが可能です。
English Inquiry
英語力の強化も大きな特徴の一つです。1年から4年までの間、週2時間はネイティブ教員によるイマージョン教育が行われます。加えて、毎朝、生徒と教員全体で行う「ALL English」と呼ばれる英語でのプレゼンや日記・手紙の作成など、日常的に使用できる英語教育も併せて行われています。英語での各教科の学び直しを含め、深い知識の習得や語学力の向上を目指すと共に、異文化理解を深め、異文化への興味や視野の広がりをもたらします。
各教科の連携した学び
各教科での学びは、単に知識を詰め込むだけではなく、深い問いを立て、興味関心を広げながら各教科を横断する形で進められます。例えば、数学や理科の学びが他の教科と関連付けられ、物事の本質を探る力が身につくような学習が行われています。このアプローチにより、生徒たちはさまざまな視点から物事を捉える力を養い、主体的に学び続ける姿勢が育まれています。
大宮国際中等教育学校の入学者選抜の形態と出題傾向
大宮国際中等教育学校の入学者選抜は、一次選考と二次選考を通じて行われます。適性検査や集団活動を通して、多面的に生徒の学力や考える力が評価されます。ここでは、選抜の形態と出題傾向について詳しく解説します。
一次選考:適性検査A・B
一次選考では、適性検査AとBが実施されます。適性検査Aは50分間行われ、主に小学校で身につけた基礎知識の応用力が問われます。問題は算数、社会、理科、英語といった科目を横断的に出題され、知識だけでなく、思考力や判断力を評価する内容です。一方、適性検査Bは40分間行われ、算数や理科、国語の知識を基盤に、数理的な思考力や論理的な判断力を評価します。問題は文章や資料を基にしており、情報を的確に読み取り、適切に表現する力が問われます。算数や理科、社会の知識を統合し、さまざまな事象を分析する力が求められるため、科目を超えた応用力が重視されます。
二次選考:適性検査Cと集団活動
一次選考を通過した生徒は、二次選考で適性検査Cと集団活動に進みます。適性検査Cは45分間の検査で、文章や資料を読み取り、自分の考えを論理的にまとめて表現する力が問われます。国際的な課題や社会的な問題に対して、自分なりの視点を持ち、それを文章として表現する力が重視されます。
また、集団活動では、生徒が自分の考えを口頭で表現し、他者とコミュニケーションを取る力が評価されます。ここでは、ただ知識を持っているだけでなく、それをいかに効果的に伝え、論理的に説明できるかが重要視されます。
出題傾向
大宮国際中等教育学校の適性検査は、単なる暗記力や知識を問うものではなく、知識を実際の問題に応用し、柔軟に考えられる力を重視しています。適性検査Aでは、グローバルな視点を持ちながら、各科目への理解を測ることが目的となっており、小学校の「グローバル・スタディ」の内容が反映されています。
適性検査Bでは、文章や資料を正確に読み取り、それを基に自分の考えを論理的に構築する力が求められます。算数や理科の知識はもちろんですが、それをどのように応用するかが問われるため、問題の分析力や発展的な思考力が試されます。
大宮国際中等教育学校の入学者選抜は、多面的な能力を評価する形で行われています。適性検査A・B・Cを通じて、国際的な視点を持った問題解決能力や、論理的な思考力、表現力が重視されます。
大宮国際中等教育学校の入学者選抜の特徴

大宮国際中等教育学校の入学者選抜は、知識だけでなく、思考力や表現力、コミュニケーション能力を重視する点が特徴です。以下では、それぞれの要素に分けて特徴を解説します。
思考力や判断力が評価される
大宮国際中等教育学校の適性検査では、単なる暗記や知識の再現ではなく、状況に応じて知識を活用し、思考し判断する力が重視されます。特に、適性検査A・Bでは、小学校で学んだ基本的な知識を基にしながらも、複数の教科を横断して考える問題が出題されます。たとえば、適性検査Aでは、算数や国語の問題に加えて社会の知識を組み合わせて解決する課題や、英語のリスニングなどが想定されています。理科や社会の資料を読み解くにあたって、計算が必要なものも含まれている場合もあります。英語は最初のリスニングのみで、他の教科と組み合わせず独立で出題される傾向にあります。また、適性検査Bでは、文章や資料を読み解き、それらを基に数理的な判断を行うことが求められます。これにより、状況に応じて知識を活用し、思考力をどのように応用できるかが試されます。
自分の考えを論理的にまとめて表現する力が問われる
適性検査Cでは、文章や資料を読み取った上で、自分の意見を論理的に整理し、適切な形で表現する力が評価されます。この検査では、生徒が与えられた課題に対して、どのように自分の意見を構築し、まとめられるかが重要です。具体的には、国際的な課題や社会問題を題材に、生徒が自分の考えを論理的に展開する問題が出題されることが多いです。このため、生徒は単に知識を述べるだけでなく、それを使って自分の考えを明確に示し、効果的に伝える力が問われます。
他者とコミュニケーションを取る力が評価される
大宮国際中等教育学校の選抜では、個々の学力だけでなく、他者との協力やコミュニケーション力も重視されています。二次選考では、集団活動を通じて、生徒が他の生徒や教師とどのようにコミュニケーションを取り、協力しながら課題を解決するかが評価されます。集団活動ではチームでの協働作業を通じて、コミュニケーション能力が見られます。このような取り組みを通じて、生徒が将来の社会で必要とされるリーダーシップや協働力を身につけることが期待されています。
大宮国際中等教育学校の入学者選抜対策
大宮国際中等教育学校の入学者選抜では、知識だけでなく、思考力や判断力、表現力が重要です。ここでは、各適性検査に向けた具体的な対策方法を紹介します。
適性検査A対策:基礎知識を横断的に活用する力を養う
適性検査Aでは、国語、算数、社会、英語などの各科目の理解を試す問題が出題されます。ここでは、小学校で学んだ基礎的な知識を柔軟に応用できるかが重要です。具体的な対策として、まずは小学校の教科書を復習し、各教科で学んだ基礎的な内容をしっかりと理解しておくことが必要です。
適性検査B対策:論理的な思考力と資料の読み取り力を鍛える
適性検査Bでは、文章や資料を基にした数理的な問題が中心となります。このため、論理的な思考力を鍛えることが求められます。特に、複数の資料を組み合わせて解く問題が出題されるため、情報を整理して分析する力を身につける必要があります。対策としては、普段から図表やグラフの読み取り問題に触れることが有効です。また、算数や理科の問題を解く際に、なぜそのような結論に至ったのかを説明できるようにすると、論理的な思考力が鍛えられます。
適性検査C対策:文章の構成力と表現力を磨く
適性検査Cでは、与えられた課題に対して自分の意見を論理的にまとめ、文章で表現する力が試されます。これに対する対策として、日頃から作文の練習を行うことが大切です。特に、300字程度の短い文章で自分の考えを明確に伝える訓練が必要です。作文の際には、文章の構成を意識し、導入、展開、結論の順序を守って書くようにします。また、国際的な課題や社会問題についての知識も深めておくと、出題されたテーマに対して柔軟に対応できるようになります。学校での授業内容を日常的に復習し、自分の意見を文章として表現する機会を増やすことが効果的です。
集団活動対策:コミュニケーション能力を高める
二次選考では、集団活動を通じてコミュニケーション力が評価されます。集団活動では、他の生徒と協力して課題を解決する力が求められるため、普段から友達や家族とコミュニケーションを取る機会を増やし、他者の意見を聞き、自分の意見を伝える練習をするとよいでしょう。また、小学校の「グローバル・スタディ」や「英語」の授業の内容なども見られるため、内容の振り返りが必要です。
まとめ
さいたま市立大宮国際中等教育学校は、国際的な視野と問題解決力を育む教育プログラムを通じて、生徒が主体的に学び成長できる環境を提供しています。ICTの活用や探究学習、国際バカロレア(IB)の認定プログラムなど、多彩な学びの場が用意されています。また、入学者選抜においても、知識だけでなく、論理的な思考力や表現力が重視される点が特徴です。受検を目指す際は、適性検査の内容や出題傾向をしっかりと把握し、必要な対策を取ることが求められます。受検準備の際は、ぜひ本記事の内容を参考にしてください。