【神奈川・2026適性検査】題材が示した出題意図とは? 資料読解×条件整理×論理思考をやさしく解説

はじめに

公立中高一貫校の適性検査は、「何が出たか」以上に、どういう力を見ようとしていたかをつかむことが大切です。神奈川県が2026年度入学者決定検査のあとに公表した「出題のねらい」を見ると、今年の適性検査Ⅰでは、昔の通信を題材にしながら、会話文や資料を読み取り、条件を整理し、筋道立てて答えを導く力を見ようとしていたことがはっきり分かります。すでに今年の検査は終わっていますが、これから受検を考えるご家庭にとっては、来年以降の準備に生かしやすい“公式のヒント”です。本稿では、話題のポイントを事実ベースで整理しつつ、神奈川の出題らしさをやさしく読み解きます。

この記事で分かること
神奈川の2026年度適性検査Ⅰで、何が題材になったのか
県の「出題のねらい」から見える出題意図
資料読解×条件整理×論理思考がどう問われたのか
来年以降の受検準備や、塾現場の整理にどう生かせるか

ニュース概要――何が公表され、何が見えたのか

神奈川県教育委員会は、県立中等教育学校の2026年度入学者決定検査について、問題本体と「出題のねらい」を公式ページで公開しています。対象は県立相模原中等教育学校と県立平塚中等教育学校で、検査日は2026年2月3日です。今回注目したいのは、適性検査Ⅰの問1で、県が「昔の通信を題材に、会話文や資料の内容を読み取ったり、電信機を用いた文字の送り方を考えたりすることを通して、科学・論理的思考力及び社会生活実践力の基礎的な力をみる」と明記している点です。

この章のポイント
「昔の通信」は、2026年度の適性検査Ⅰ・問1の題材
県は公式に、資料読解+条件に基づく思考を見る問題だと示している
今年の問題分析は、来年の対策の出発点として使いやすい

「昔の通信」はどんな形で問われたのか

実際の問題では、子どもたちの会話文を入口に、横浜にある「電信創業の地」の石碑や、ブレゲ電信機の説明、さらに工夫した文字盤の図や操作方法が示されていました。そのうえで、内容理解を問う選択問題に加え、条件に従って文字を送るときのハンドル操作を考える問題が出されています。つまり、単に「昔の通信」を知っているかどうかではなく、文章と図からルールをつかみ、そのルールを使って処理する力が求められていたと読めます。

特に象徴的なのは、問題文に「ハンドルは時計回りにしか回せない」「前の文字とちがう段の文字を送るときは、まず12時の欄まで回す」といった細かな条件が並び、それを踏まえて回数や通過回数を考えさせている点です。これは、社会・理科っぽい読み物の顔をしながら、実際には条件整理・手順処理・論理の一貫性をかなり強く見ている問題だと言えるでしょう。

この章のポイント
題材は歴史寄りでも、問われ方は知識暗記中心ではない
会話文・資料・図・ルール文をまたいで読む必要がある
神奈川らしいのは、読み取った情報をその場で使わせる構成にある

この問題から見える、神奈川の適性検査の“軸”

今年の出題を見て感じるのは、神奈川の適性検査が、派手な時事知識や特殊な先取り学習よりも、与えられた資料を丁寧に読み、条件を落とさずに整理し、順序立てて答える姿勢を重視していることです。県の「出題のねらい」でも、問1だけでなく、国産大豆の収穫量、折り紙、数の並べ替えなど、複数の題材で科学・論理的思考力を見ようとしていることが示されています。題材は毎年変わっても、求める力の軸はかなり一貫していると考えてよさそうです。

受検生側から見ると、大事なのは「知っていた・知らなかった」で一喜一憂しないことです。必要なのは、初見の題材でも落ち着いて読めること、そして条件を自分の言葉で整理し直せることです。今年の「昔の通信」は、その重要性をかなり分かりやすく示した一問だったと言えます。

この章のポイント
神奈川で見たい力は、初見資料への対応力
カギは条件整理手順の見える化
対策は「知識を増やす」だけでなく、読んで使う練習が必要

塾・予備校関係者への注目点

塾・予備校関係者にとってまず大きいのは、「今年は何が問われたか」を公式文書ベースで整理できることです。受検後の振り返り記事や保護者向け解説で、憶測ではなく、県の「出題のねらい」に沿って“何の力を見た問題か”まで説明できるのは強みです。単なる問題紹介で終わらず、資料読解→条件整理→適用という流れに分解して示すと、来年度の指導にもつなげやすくなります。

もう一つは、授業設計の見直しです。今年の問1は、社会的な題材を扱いながら、実際にはかなり算数的・論理的な処理を含んでいました。したがって、対策も教科を分けすぎず、読み物資料を使ってルール抽出をさせる演習や、条件を図やメモに直す訓練を増やすと相性がよさそうです。神奈川は「題材のおもしろさ」に目を奪われると本質を見失いやすいので、指導側ほど何が“処理の核”だったかを言語化しておきたいところです。

この章のポイント
公式文書ベースで「今年は何が問われたか」を整理できる
資料読解→条件整理→適用に分解すると、保護者にも説明しやすい
読み物資料からルール抽出をさせる演習が、次年度対策と相性がよい

まとめ

今年の神奈川の適性検査で話題になった「昔の通信」は、懐かしい題材を使った読み物問題、というだけではありませんでした。県の公式資料を見ると、実際に見ようとしていたのは、会話文や資料を正確に読み、条件を整理し、筋道立てて考える力です。題材が変わっても、この軸は来年以降も意識しておきたいところです。受検生にとっては、知らないテーマでも慌てず読めること。保護者にとっては、問題の表面だけでなく「何の力が試されたか」を見ること。塾にとっては、今年の出題を公式文書で丁寧に分解して伝えること。その積み重ねが、来年の準備をぐっと具体的にしてくれます。

この記事のまとめ
今年の神奈川は、「昔の通信」を題材に資料読解と条件整理を問った
見られていたのは、会話文や資料を読み、筋道立てて考える力
塾は今年の出題を公式文書で丁寧に分解し、来年以降の対策へつなげたい

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